フランケンシュタインの恋 第7話

もう7話なんですね・・・。
そろそろ終わりまでの話数が少なくなってきてちょっと寂しい。
ここに来てますます番宣として新しい企画を出してきたりして
内容も広報もきちんと力が入ったドラマだなあと改めて思います。
7話での天草のラジオ企画おもしろかったですね。
結構10時からの30分、時間を持て余していることが多くて、
早めにスタンバイしちゃうと眠くなっちゃったりして困っていたので
始まる前の30分を楽しく過ごせたのはよかったな。
ドラマが始まるわくわく感も増したし。
ただ、ドラマを見ながら配信を聞いちゃうと集中できないので
そこはもうちょっとなんとかならなかったのかなとは思います。
後ろ髪引かれながら天草離脱してドラマに集中。
もちろんあとからYOUTUBEで全部みましたけどね。
企画自体をドラマにかぶせちゃうと・・・ちょっともやもや。
みんなでわいわいしながら、ながら見でOKというドラマじゃなくて
毎回ガッツリと見ないとよさが半減するタイプのドラマなだけに余計に、ね。
なんか公式がながら見を助長しているような気がして・・・。
でも、おもしろい企画だとは思ったんですよ。
ドラマの世界から飛び出した企画として。新井さんも積極的に協力してくれて・・・。
新井さん、映画の撮影もあるみたいなのに、今週すごくがんばってくれましたよね。
バラエティにも出てくれたし、コメンタリィにも!
この時期撮影が立て込んでいてなかなかキャストの宣伝活動が難しい中
本当にがんばってくださったなあと嬉しくなりました。
コメンタリィを聞いていても思うのですが、
本当に現場の雰囲気がいいんだろうなあと感じます。
視聴率的には苦戦しているんだけど、
現場の雰囲気はそのことに振り回されてはいない感じがする。
いいものを作ろう、このドラマの世界を作り上げよう
という思いで一致しているんだろうな。
それだけにもっと多くの人に知ってもらいたいな、見てもらいたいなと思う。
先週なんて久々にTwitterでも盛り上がっていたのに
それが結構限られた範囲の中の盛り上がりで
外に広がっていかないのがもどかしい。
確かに万人受けするタイプのドラマではないけれど、
決して敷居が高いドラマ(分かる人だけ分かればいい)という訳ではないので
なんとかもっと多くの人に見てもらえないかなあと願っています。

さて、内容の感想です。
今週は先週の衝撃的なラスト、
十勝さんの前で黒い胞子を飛ばすという衝撃的なシーンから始まったので、
全体的にずっと研さんが辛そうで切なかった。
十勝さんが助かるかどうか分からないときはずっとそれを気にかけていたし、
それからも中盤は室園さんとの楽しいやりとりが多かったんだけど、
何となく先週までのような無心の楽しさというよりは
ずっと心になにか重いものを持っている感じが漂っていて・・・。
不安げな研さんはどこかはかなくて、
そしてなんか表情が中性的な感じがしました。
こんなはかなくて切ない表情・・・きゅんときてしまう。
なんでこんな切ない表情ができるんだろう・・・。
先週まで確かにあった経験を積み上げることで得てきた自信は
ちょっとどこかにいってしまったようです。
自分が強くなれば津軽さんを守れると思ってがんばってきたのに
自分の弱さから十勝さんを危険な目にあわせてしまった。
いつか津軽さんも危険な目に遭わせてしまうかもしれない・・・
そんな自責の思いが研さんの心を縮こませてしまいます。
そしてその思いを津軽さんにそのまま吐露してしまうんですよね。
ここの台詞好きだったなあ。
微妙に言葉足らずにしてあって、真意がストレートに伝わらないように
ちょっとずらした言葉が選んであって、
ぱっと聞いたら「津軽さんといることがこわい」という意味にとれてしまう。
もちろん、真意は「津軽さんを危険な目にあわせるかもしれない自分がこわい」
なんだけど、こういう表現、こういう言葉になっちゃうのが
なんだかとっても研さんらしい。
今回、津軽さんも言い過ぎているところがあって、
十勝さんのことでへこんでいる研さんに
「研さんは何があっても怒ってはいけないんです」
と言ってしまいます。
研さんが人間社会で生きていくためには確かに怒ってはいけないというのは必須のことなんだけど、
稲庭先輩もかばってくれたように
人間なら誰しもプライドを傷つけられたり存在を否定されたりしたら怒るもの。
いや、人間だからこそそういう場面では怒って当たり前なんです。
その感情を否定することは、研さんの尊厳を否定することにもなる。
津軽さんも研さんも、決して間違ったことを言っているわけじゃない。
でも、自分で自分の言った言葉を心の中で反芻して
その言葉が相手を傷つけたかもしれないということにちゃんと気づける。
そして、そのことをちゃんと謝れる心優しい人たちなんですよね。
そういう部分を本当に丁寧に描いてある作品だなあと思います。

一方、意図的に相手を挑発して傷つけようと言葉を使うのが
アシスタントパーソナリティの大宮リリエ。
今回の感想は「この女~なにすんねん」につきます。
それだけ圧倒的な攻撃力でしたねえ。
もうムカついてムカついて!!
研さんを追いつめる時の圧倒的な美しさ。
すごくまがまがしい邪悪な美しさ。
明らかに自分が優位に立って、高見から人を断罪する残酷さ。
それも自分発信の意見ではなく、あくまでも十勝さんの代弁者というスタンスでしゃべっていますからね。
なおさら質が悪い。
思えばちゃんと初回からこの人の悪質さは描かれて来たんですよね。
メインパーソナリティの十勝さんが天草さんに悪感情を抱き始めたのは
この人が天草に対する不満をもらしたから。
以降、十勝さんは常にリリエさんの顔色を見ながら天草を攻撃していく。
かと思えば、研さんがハンサムな実在する人物と知るや
手のひらを返したように天草のコーナーを応援する。
十勝さんは巧いこと操られて一人置いてきぼりをくらった格好なのに
天草を攻撃する勢いは止められず、一人で孤立しながら攻撃をエスカレートさせていく。
その結果が今回のことの発端。
だからリリエがある意味すべての元凶とも言えるんですよね。
そして、研さんが怪しいと知るや否や、
これまでの研さんびいきの態度を一変させて攻撃に打って出る。
この人はもめ事が起こるのが嬉しくて仕方ないんですよね。
まさに獲物を見つけた猛禽類のような目で研さんを追いつめていく時の美しさ。
これがこの人の本性なんだろうなあ。
十勝さんもね、ある意味嫉妬の鬼となって研さんを攻撃した。
こうした負の感情に支配されると言うのも人間の姿。
そして、自分の感情のままに人を攻撃して追いつめていくことを楽しむリリエもまた
極端だけど一つの人間の姿なんですよね。
稲庭先輩は「人間じゃないのは僕なんだ」と言っていましたが
今回一番「こいつ、人間じゃねえ!」と思ったのは
この大宮リリエでした。
人間ではないけれどもとても人間らしい純粋な心を持つ怪物と
人間だけど人を傷つけて喜ぶモンスターのような心を持つ人間と
どっちが人間らしいんだろ・・・。

今回もまたワル庭先輩だったですね・・・
でも、なんかずっと毎回感想に書いている気がするんだけど、
私は稲庭先輩に対してはそれほど悪いとは思えなくて、
あくまでも人間らしいぶれを持つ人という感じ。
それでも今までは、積極的にラジオに研さんを出して
研さんが人を危険な目に遭わせたらどうする気なんだろう・・・
と思っていたんですが、その部分の謎は解けました。
稲庭先輩は自分が側についている以上
研さんが胞子を出して他人を危険な目に遭わせても
自分は絶対に助けるという自信があったんですね。
そういう意味では、自分の存在が研さんの感情暴発の抑制になる
と思って研さんの側にいる津軽さんよりも
ずっと現実的な自信かもしれない。
今回天草さんが研究室に来て、研さんの身体のことを教授に尋ねますが、
考えてみれば、あの場面に集まった4人のうち、
津軽さん以外の三人は程度に差こそあれ同じ穴のムジナですよね。
教授だって研さんの危険性を分かった上でラジオに出ることをよしとした。
時にはラジオでハプニングが起こらなかったことに落胆さえしていた。
研さんが他の人を危険な目に遭わせたり
ラジオに出ることで研さんが傷つくということより、
新しい経験が研さんの身体の中でどう反応して新しい菌を生み出すのかという
学問的な好奇心の方が勝っていた。
天草さんだって、今までは研さんの正体を知らなかったとはいえ、
公開ラジオの場に出るように言った時には
すべてを分かった上で、それでも自分がメインパーソナリティの席に座るため
研さんを利用しようとした。
みんな、結局同じなんだと思う。
でも、おそらく教授は、十勝さんを危険な目に遭わせてしまって
消え入りそうなくらい落ち込んでしまっている研さんを見て、
研さんを研究対象ではなく、心を持った人間として改めて認識したんだと思う。
だからこそ、天草さんに研さんの心を見せ物にしないでほしいと頼んだ。
稲庭先輩も、殺菌剤を飲もうとした研さんを見て思わず本当の気持ちを吐露します。
自分が津軽さんから研さんを遠ざけたいがために研さんがラジオに出るように仕組んだ。
「人間じゃないのは、僕なんだ」
の一言の後の主題歌は、重く重く響きました。
今回は稲庭先輩の思いとして「僕は人間じゃないんです」という歌詞を聴いたので
この曲が持ってる本来の意味で曲が伝わったような気がします。
天草さんは・・・天草さんはどうなんでしょうね。
やっぱり、自分の利益の為だけに研さんを利用したんでしょうか。
研さんが不安定になったとき、
大宮リリエを止められず、でも真っ先に彼女を守ろうとした。
研さんはリリエの言葉と言うよりも、
そういう天草さんの態度に傷ついて盛大に胞子を出してしまった。
次回、天草さんがどう動くかで天草さんの気持ちがもう少し見えてくるのでしょうが
今回の段階では「天草~ひどいよ~(´;ω;`)」という気分。
どうか、どうか、天草さんにも研さんを思う気持ちがありますように。

今回の研さんは、頼りない子犬のようでした。
公開番組の会場から逃げ出す様子とか、
ゴミ箱の隙間に隠れて、津軽さんに見つかるとほっとして眠ってしまう様子とか・・・。
疲れ果てて眠ってしまった研さんに
いいよ、いいよ、このままずっと寝てて・・・。
と願わずにはいられませんでした。
でも、夜中に怯えて起き出してしまう研さん。
暗闇の中で側についていてくれた津軽さんを見た研さんの切ない目。
そして、自分の手をじっと見つめる。
愛する人を抱きしめられない、手。
愛する人の命を奪ってしまうかもしれない、手。
切ないね、研さん。
今回はなんかずっと切なくて、ラストもやっぱり辛くって、
ついでに「武曲」を見に行ったのですが、これも別の意味で辛い話で
実生活でも仕事でいろいろあって精神的に疲れてしまっていたので
なんとなく辛い一週間でした。
来週の展開も辛そうだな。
光が見えたらいいんだけれど・・・。


ところでFITのCMかっこいいですね!
今の研さんの格好をしていない綾野君のストレートな髪と雰囲気がとても好きなので
この姿で映像作品として残ってくれるのはとても嬉しい。
そして、なんて綾野くんにぴったりなコンセプトなんでしょう。
docomoのようにキャラを作った感じではなく、
ミンティアやDUDAなんかと近い、作り込まない感じのたたずまいなんだけど
ミンティアともDUDAとも違っている存在感がすごい。
なんと言っても綾野君はCMに恵まれているなあと思います。
CMに起用されるだけでもすごいのに、
とても面白味のあるCMが多い気がするもの。
30秒の映像作品として見ていられるような企画性の高いCMが多い。
綾野君の役者としてのあり方が、そういう仕事を呼び込むのかなあ。
宝くじのCMが終わってちょっと寂しかったんですが、
また楽しみが増えました。


フランケンシュタインの恋 第6話

フランケンシュタインの恋はTwitterで公式に絵を募集してて、
フラ恋絵というタグをつけてつぶやけば、
毎週、放送前に怪物さんご本人がその週のフラ恋絵大賞を発表してくれる
という楽しい企画があるので、
フラ恋絵で検索かけてそうした絵を見るのとっても楽しいです。
絵が描ける人はいいなあと思います。
ここ好きだったな、と思えるシーンを
絵という表現で人に伝えられるのっていいな。
それに、絵を描く人は見ているところが違うな、と思う。
細かい手の動きだとか、表情とか。
一生懸命見ているつもりでも、目に入ってないんだなあ・・・。
そんな部分に気づかせてくれるんですよね。
そういえば、子供が小さいときも思ってたなあ。
日々のあれこれをイラストで残せたらなあって。
ぜんぜん絵心がないのでまったく描けないんですけどね。
だからこうやってたくさんの言葉を費やして、
感想を書くしか感動を形に残す方法はないんだよなあ・・・。

今週の終わり方は苦しかったです。
日曜の夜はちょっと眠りが浅くなって、夢の中で一晩中このドラマのこと考えちゃったくらい。
久々にエンディングの歌詞が深く心にグサグサ刺さりました。
最後に泣きそうな顔になって、津軽さんに
「ごめんなさい」
っていう表情が切なくて、切なくて・・・。
綾野くんが演じてきたたくさんの人物たちの中でも、
ドはまりしてしまう人物(キャラクター)が時々いるんですけど、
研さんもその内の一人になったなあ・・・っていう感じ。
もちろん今までだってかわいくて大好きだったんだけど、
ビジュアルとしてとか、設定としてとかじゃなくて
そんなことを遙かに越えて、心惹かれる。
この人に、心から幸せになってほしいと思う。
綾野くんは役にそういう力を与えることができる役者さんなんだよなあ・・・。

今回は見ている最中はちょっと歯がゆくて・・・。
やっぱり津軽さんの動きが少ない回は、
津軽さんの心がつかみきれなくて消化不良になってしまう。
津軽さんの思いが前に出ていないので、
ええーっ、なんでラジオに出ることを反対しないの?
研さんを守ってあげて!
とオンエア時にはそればっかり思って見ていました。
だって、あんなピュアな研さんをラジオなんていう公共の場に出してしまったら
研さんが傷つくに決まってる。
見せ物にされて、さらし者にされて・・・
そして研さんが本性を見せてしまうと狩られてしまうかもしれない。
なのにどうして黙って見ているの?!
でも、落ち着いて見直してみると、津軽さんには津軽さんなりの思いが
ちゃんとあることはわかる。
研さんは津軽さんを守るためにがんばっているんだから、
見守るしかないんだよね。
怪物と呼ばれた幼稚園児のお母さんのように、
こけるかもしれないということは分かっているけど、
それでも見ているしかないんだよね。
津軽さんは自分が言った言葉にも、縛られているところがあるのかもしれない。
前回、研さんが人間の社会で生きようとがんばっている理由を
「自分の世界が広がるのが楽しい」からだと稲庭先輩に答えた津軽さん。
この言葉を踏まえてなのかどうなのか、
稲庭先輩は、
「研さんを狭い所に閉じこめておく権利は俺たちにはないよ」
と言います。
天草は天草で、研さんがラジオで人気が出たのは
「研さんが自分で社会に関わりを持った証です」と言う。
こう言われてしまうと、心配だからと言う理由で引き留めることはできませんよね。
だって、研さんは自分を守るために強くなろうとして
自分の力で世界を広げ初めているのですから。
わかる、わかるんだけど、ヒロインとしては引っ込んじゃうんだよなあ・・・
素直に感情移入できないんだよなあ・・・。

そういえば、研さん、ラジオで嘘つきませんでしたねえ。
前回、あれだけ嘘にまつわる話で、
「嘘」は「思いやり」で、相手を戸惑わせないために「嘘」は必要
って学んだのに、あっさりと
「フランケンシュタイン 120歳です」
って言っちゃってるし。
稲庭工務店のみんなにも言っていないのに、
120年前に生き返ったことや、それからずっと森で生きてきたことなんかも話しちゃってるし。
そこはすかさず教授がフォロー。
「彼は頭がいい、ラジオの本質を見抜いている」
確かに、ここからは(ラジオでは)ラジオネームで行きましょうと天草さんに言われましたから
ラジオはフィクションの世界なんだ、と研さんは了解したのかもしれません。
自分でもずっとラジオを聴いていたわけですから
その辺は感覚で理解していたかも。
どうせ名前も架空のもので通じるのだから、
本当のことを話しても架空のこととして認識されるんだろう・・・と。
実際に稲庭工務店のみんなには、
ラジオ用に研さんが作った設定だと理解されていましたもんね。
もしくはもっとシンプルに、
名前が嘘なのだから、本当のことを話しても
深志研とは切り離せるだろう。
つまり自分を知る人で、本当の話を知って混乱する人はないだろう・・・
くらいの思いだったのかもしれない。
まあ、嘘つこうにも、
「自分は人間を殺すかもしれません」
というこれまでの投稿とつじつまを会わせられるほど高度な嘘を
研さんがつけるとも思わないですけどね(;^ω^)

教授の言葉が要所要所で効いているんですよね。
ここでまず研さんの適応能力の高さを指摘して、
その後、複雑な感情を理解するようになるとどんな複雑な菌がまき散らされるかわからない、
と予言めいたことを言います。
つまりは経験を積むことは研さんを人間社会に馴染ませていくが、
同時にいざ非常事態が起こった時にはその危険性は高まる、
ということなのですね。
研さんが積極的に人間の社会に関わっていくことは諸刃の刃。
教授の言葉があることで、津軽さんや稲庭先輩だけでなく、
視聴者も今まで以上に研さんの感情が爆発する瞬間を
どきどきしながら見守ることになります。

今回、天草のコーナーで研さんに課せられたミッションは三つ。
コンビニで店員としてクレーマーに対応する。
離婚の話し合いをしている夫婦の会話に参加する。
幼稚園児がかけっこに挑戦するのを見守る。
ちょっと三つ目だけ性質が違う気がするんですよね。
前の二つは天草さんが意図的に研さんに負荷をかけようとして選んだんでしょうね。
天草さんは第2話で自分がヤクザの家に乗り込んだように
研さんにも捨て身のインタビューを要求するんですね。
つまりは天草さんにとっては、フランケンシュタインのシリーズでは
関心がリスナーに向かっているのではなく、
研さんに向かっているんですねえ。
それってすごく酷だと思うんだけど、
これはもう、天草という人がそういう人なんだと思う他はない。
歯に衣を着せぬストレートな問いかけは、
誰に対しても向けられる。
今回は稲庭先輩にも鋭かったですもんね。
「それはあなたが望んだことじゃないんですか?」
とズバリと痛いところをついてきました。
前回は津軽さんに
「(研さんを山から連れてきたことは)重荷ではないですか?」
「あなたはこれから研さんをどうしたいんですか?」
って、ずばずば聞いていました。
自分が謎だと思うことは尋ねずにはいられない。
そして、かなり本質的なことをつかむのが巧い、
つまりは鋭い人なんだと思います。
そういう人が「人間について知りたい」とどん欲に動いたら、
そしてその場が公共の電波を通して与えられたのなら、
こうなってしまうよなあ・・・。
そして、天草にとっては研さんはちょっと変わった人間で、
人間探求の格好の矛先なんだろうなあ・・・。
それってある意味とても残酷なことなんだけど。
ラジオのプロデューサーはね、きっと欲得だけでものを考えていて
研さんの人気が出ているから使えとしか考えていないと思う。
変わった人を連れてきて見せ物にする。
その残酷さも危うさも罪深さも理解しないまま。
でも、天草さんはそうじゃないと思うなあ・・・
というか、思いたい。
今回のラジオの一件は、やっぱり、研さんをさらし者にして喜ぶ
そんな悪趣味な企画にどうしても見えてしまうんですよね。
もちろん、ラジオに出ることを通して、研さんはきちんといろんなことを学んでいるんですけどね。

今回の最初のミッション、コンビニの店員。
これは、腹立ちますよね。
研さんじゃなくても、いや、違うな、
研さんじゃなかったら怒ってぶちぎれてるくらいのひどい客。
でも、研さん、素直にいなします。
客に首根っこ捕まれて、すわっ、研さん怒るんじゃないの?
っていう演出も憎い。
でも、研さんは怒りません。
研さんって決して怒りやすい、沸点の低い人じゃないんですよね。

二度目のミッションは離婚の話し合いをしている場に同席させること。
人間のイヤな面が前面に出るシチュエーションで、
しかも研さんが持っている恋愛観とは全く違った話を聞かせる。
非常に研さんの心に負荷がかかる場面。
妻と愛人をあっちはあっちこっちはこっちで
ちゃんとどちらも大切にしてきたという旦那。
この旦那の理屈を
「わかる?」
と聞かれて「ちょっと何言ってんのかわかりません」という言い方が
また出た! という感じでかわいい。
前もこういう台詞あったよなあと思いながらも
2話だっけ? はじめの頃だよなあとしか思い出せず・・・。
録画をたどる時間もないまま週末になってコメンタリィを聞いてわかりました。
初回だったんですね。
しかもできるだけ初回の言い方にかぶせたそうで。
脚本家さんが意図してこの台詞をしくんだかどうかはわかりませんが
(多少は意識していたんだろうなという気はする)
でも、綾野君がああいう演技をしなければ、するっと流れてしまったようなさりげない仕掛け。
そういう脚本の中で埋もれがちな仕掛けや台詞を
宝物を探すみたいに掘り出して、
丁寧で的確なお芝居として表に出してくれる。
これは脚本家さんにとって、とっても嬉しいことだろうなあと思いながら
コメンタリィを聞いていました。
この2回目のミッションで核になったのは
「虚しい」というキーワードを研さんが覚えたこと。
天草さんの解説がいいんだ、これが!
「信じているものに裏切られるのが、悲しい。
最初から信じる価値がないのが、虚しい」
この後、津軽さんにもこの言葉について聞いていました。
そして、ラスト、研さんが感情を抑えきれなくなるトリガーとして
この言葉が使われます。

この2回のミッションを経て、研さんは少し自信をつけた様子。
そうだよね、すごい修羅場を2回経験して、
怒らずに乗り越えたもんね。
住んでいる町まで帰って来て、迎えに来た津軽さんを見た時の顔、
ちょっと得意げな気がする。
津軽さんを送っていくシーンっていままであったかなあ。
一方、研さんを積極的にラジオに出すことの真意を天草さんに見抜かれた稲庭先輩。
たぶんここまで自分ではしっかりと意識していなかったんじゃないかな。
自分がどこかで研さんが傷ついたり、さらし者になることを望んでいるだなんて。
同じことを室園さんからも見透かされます。
ラジオに研さんを出すのは津軽さんと研さんを引き離すためかって。
恋する乙女は感覚がするどい!
いや、もともと室園さんは結構人をちゃんと見ていますもんね。
二人に指摘されて、さすがに愕然とする先輩。
天草さんに研さんをまだラジオに出すつもりなのかと確認の電話をします。
確かに稲庭先輩のダークな面が前面に出たこの回。
でも、そんなにダークな感じはしなかったんですよね。
人間だったらあり得るちょっと残酷な方に気持ちがぶれる感じ?
稲庭先輩は頭がいいから、自分のそういうダークな感情を
上手に「研さんが望んでいることだから」という理屈に置き換えた。
でも人から指摘されて自分が自分で隠してしまった嫉妬の感情に気づいたら
ちゃんと軌道修正しようとするのも人間くさい。
研さんと津軽さんが人並みはずれて純粋で真っ直ぐなので
これくらいのぶれがすごくダークに見えてしまうけど
たぶん他のドラマの世界に連れてったら、
稲庭先輩はとんでもなくいい人の部類に入る人だと思う。

で、三つ目のミッション。
稲庭先輩から軽いストップが入ったからなのか、
次に天草さんが選んだミッションは幼稚園でのかけっこ。
怪物と呼ばれる義足の少年を見守るミッション。
今までのミッションと比べて一気にわかりやすい感動系のミッションにいってしまいましたね。
だから余計に十勝さんが激しく反応したんだと思うんですけど・・・。
だって、これ、ラジオの企画っぽくないですよね、明らかに。
どっちかというとテレビっぽい。
それも視聴率アップを狙ったようなタイプのテレビのバラエティっぽい。
逆に言えば、依頼の手紙の内容自体は、すごく真っ当なんですよね。
怪物だと名乗る研さんに宛てた依頼としては、
離婚の話し合いの関に同席してって依頼するよりもあり得そうな気がする。
天草さんはこの依頼を選ぶことで、何を狙ったのかなあ。
悪く取れば、大人のように理屈で理解できない子供たちの相手をさせることで
研さんに違った角度からの負荷をかけてその反応をみようとした。
いい方にとれば、稲庭先輩が心配する気持ちを受けて、
研さんにとって負荷がかかりにくい依頼を選んだ・・・
うーん、どっちだろ。
でも研さんは目の前の状況から自分なりの「学び」を見つける天才。
最初のミッションではクレーマーの気持ちを知ったことに感謝してましたし、
二つ目のミッションでは、どっちが悪いという泥沼の言い合いには関わらず、
どちらも悲しいという本質を見抜いた。
(研さんがこう言い出したとき、天草さん「ほう」という顔で研さん見てましたね)
ある意味、物事や人間の本質を見抜く力がとてもある。
天草さんのそれが、人を質問で突き刺す鋭い剣のようなものだとすれば
研さんのそれはもっと優しい、そっとすくい上げるような網。
三度目のミッションで研さんは、人の力を知ったのだと思います。
怖くても一歩踏み出す力、転んでも起きあがる力、走りきる力。
そして、それを見守る人が持つ力。
怪物が人間に
「強い人間が怪物になるんです。怪物になってください」
と語りかけるシュールさ。
この時一瞬研究室のカットが入って、教授も一言
「複雑だ」って言っていましたね。
人間になりたい怪物と、
怪物になろうとがんばる人間と。
「怪物、がんばれー!」
と叫んだ研さんは、少年の中に自分を見たんでしょうね。
転んでも立ち上がってがんばる姿。
それは、人間を知ろうとラジオでがんばっている研さんの姿でもあって。
そして、少年はゴールして、ずっと見守っていた母親に抱きしめられる。
それはきっと研さんが夢見るゴール。
研さんはこのミッションを通して、自分の今やっていることは間違いじゃない
という思いを強く持ったのだと思います。
そして目の前で成功体験を見て、いつか自分も・・・と思ったでしょう。
いつか人間を知って、もっともっと強くなることができたら
津軽さんと包容できる日がくるかもしれない。
津軽さんを、あの少年のお母さんのように喜ばせることができるかもしれない。
人間は強くなれば怪物になれる。
じゃあ怪物も強くなれれば人間になれるんじゃないのかな。
そんな幸せな研さんの思いを全否定する食事会。
こんな優しいシーンの後でこんなシーンもってくるなんて、鬼!

十勝さんって本当に人間くさいですよね。
最初、天草を攻撃し始めた時も、アシスタントの気持ちを汲んで始めた感じだったし、
天草やフランケンシュタインが人気が出てきたと知るとあわて出したり。
コメンタリィでも言っていましたが、
この時十勝さんが言ったことは、私も正論だと思います。
ラジオは日常の中にあるべきで、そこから外れるべきではない。
でも、それがちゃんと響かないのは、
十勝さんが怒っている理由がそこじゃないからですよね。
十勝さんは天草さんとフランケンシュタインが嘘をついていると思っている。
フランシュタインに対する態度はある意味一貫していますよね。
初めて会ったときはちゃんとしていたんですよ。
フランケンシュタインの相談に対してひどいコメントをしたことを謝ったし。
人としてちゃんと対応しようとしてた。
でも、フランケンシュタインが過去の話を始めたとたんに、
ちゃんとした対応をやめた。
こいつら嘘つきやというレッテルを貼ってしまった。
そこからは心をシャットダウン。
彼らが何をしても、何を言っても、聞かない。
自分が知っている世界からはみ出すようなことを
一切受け入れないタイプの人として描かれていて、
見ていて本当にいらいらする。
でも、演じている山内さんが巧いこともあって、
こういう人、結構いるよなあと強く思う。
自分の知っている世界、自分が持っている価値観しか認めない人。
稲庭先輩とは違って、わかりやすく嫉妬を前面に出す十勝さん。
荒ぶる心のままにいいたいことを言って、人を攻撃します。
そしてその矛先は津軽さんにまで・・・。
「虚しい」というキーワードをここで効果的に使ってきました。
「最初から信じるに値しない」とこのドラマでは定義されている言葉。
せっかく成功体験を目の当たりにしてこの方法で間違いはなかったと思っていた矢先、
自分にも津軽さんと生きられる道はきっとあると確信できた矢先、
この言葉が十勝さんの口から非難を込めて発せられることで、
それをすべて虚しいと、信じるに価値がないと言われてしまった。
しかも、「お前等みんな」とまで。
つまりは「虚しい」は津軽さんにも向かっているということ。
ある意味生きることそのものに「虚しさ」を抱えている津軽さん。
でも津軽さんは強い心でその「虚しさ」を感じないようにつとめている。
その津軽さんをも全否定されたとき、
研さんの心は暴走してしまいます。
その手からは今まで見たこともないような黒い胞子。
あんなにがまんしようと思ったのに、
我慢できるようになると思っていたのに、
「ごめんなさい」
と泣きそうになりながら言う研さんが切ない。
冒頭にも書きましたが、この表情で一気に研さんに今まで以上に心をつかまれました。
ここでエンディング突入。
本当に「棒人間」の歌詞が染みました。

ネットでプロデューサーさんのインタビューを読んで
ちょっとだけ謎が解けました。
やっぱり綾野君と同世代の斉藤工さんを博士役にキャスティングしたのには
意味があったんですね。
ここからはもっと過去に何があったのかが描かれるそうです。
インタビューから見えてきた展開はとってもドラマチック!
6話のラストではひたすら悲しかったんだけど、
これからの展開は楽しみー。
稲庭先輩の立ち位置ももっと重要になってきそうだし、
ロマンチックに展開していきそうな感じ?
とにかくラジオネタは見ていてはらはらするし、つらいことが多いので
早く次に展開してほしいです。






フランケンシュタインの恋 第5話

今回のオーディオコメンタリー特に面白かったですねえ。
山内さんガンガン話してくれて、
コメンタリーというよりも、ラジオ聴いてるみたい。
山内さんは素でも大阪弁なんですねえ。
もちろん大阪の方だというのは存じていたんですけど、
関西の人でもメディアに出るときは標準語って人多いじゃないですか。
お笑いの人は結構大阪弁貫く人多いですけど。
役者さんで、ふつーに大阪弁でしゃべってて、すごいなあと思いました。
それだけパワーのある大阪弁だから、
山内さんの大阪弁につられて綾野君も関西弁もどきになっているの、かわいい。
岐阜って完全に名古屋語圏かと思っていたら、
綾野君の育った町は関西弁に近かったんですねえ。
岐阜も広いですからね。
西は滋賀県に接しているわけだし。
だんだん語尾が崩れていく感じで関西弁のニュアンスが混じるんですよね。
もちろんコメンタリーなのですぐにもちなおすんだけど、
気分がたかぶったりのってきたりするとすぐに山内さんにつられちゃう。
話している内容も楽しくて、ほとんどドラマの展開忘れて聞き入っちゃってました。
カットされたシーンの話も楽しかったですね。
天草と一緒に天草ソング歌った話だとか、
ビール飲んでぶっ倒れるシーンとか。
特にビール飲んだ話は、うわっ! それ見たかった! って思いました。
だって放送されたときにずっと思ってたんですもん。
研さん、初めてのビールだよね。
研さん、ビール飲んだらどうなっちゃうの? って。
でも、このドラマではやんなくて、残念だなあと思っていたんですが、
やってたんですねえ。
しかもアドリブで。
見たかったなあ、初めてのビールを一気のみしてぶっ倒れる研さん。
DVDになったら未公開シーンとして入れてくれるかなあ。
コメンタリーも本当に面白いので
是非是非DVD化して残してほしいなあ。


というわけで本編の感想です。
今回も面白かったですねえ。
見やすかった、単純に楽しかったという意味では
1話以来のおもしろさだったかもしれない。
特に最初の辺りの津軽さんの家族としゃべるシーンは面白かった。
研さんの受け答えはいつもちょっと的外れだったりピントがずれていたりするんだけど、
津軽さんや稲庭先輩がいてくれるとそれなりに受けてくれたり
違う表現に変えてくれたりするから、
ぎこちないなりに会話が成立するんだけど、
おばあちゃんが混じるとしっちゃかめっちゃかになっちゃうんですね。
ボケが二人になっちゃうから。
そこにするどく突っ込むおねえちゃんがいい!
3人の間に立って必死で会話を立て直そうとする津軽さんも面白い。
本当のことを言っちゃだめって言われている研さんが、
過去を聞かれて「秘密です」って言っちゃったり、
年齢を聞かれて、おそらく津軽さんと打ち合わせした時に出た言葉であろう
「だいたい30歳くらい」
をそのまま言っちゃったり、
「ちょっとだまっててください」
と言われて、本当にずっと黙っていたり・・・。
このずれた感じが本当にほのぼのかわいい。
そんでもって、研さん、どんどん表情が豊かになっていますよね。
お姉さんに
「おばあさんが心配するからそこは秘密にしてください」
と言う時の顔、
3、4歳くらいの子が弟や妹に、
親の口まねしてたしなめているときのような顔してますよね。
かわいい。
「ちょっと黙っててください」
と津軽さんに言われて、おばあさんにここはちゃんと答えなきゃ、という場面でも
しゃべっちゃいけないと思ってがまんする顔とか、
なんとも言えない表情。
気持ちはあふれているんだけど、言えない、情けない感じとか。
他にも、稲庭工務店のシーンで、
好きなラジオ番組? と尋ねられて、うきうきと
「あまくさに~きけっ♪」
と歌って、室園さんにたしなめられると、
ちょっと恨みがましい顔で室園さん見たり・・・。
今までだったら、あ、いけない・・・という感じでしゅんと口を閉じたと思うんだけど、
なんかちょっと反抗心も出てきた?
って感じがして、小さな成長がかわいい。
天草が来た~と思って部屋のドアを開けたときのがっかりした顔とか!
室園さんに対しては
「なんだ、美琴か」
と呼び捨てで露骨に残念な顔するし。
こういう反応を露骨にするところが幼いと言えば幼いのですが
それもまたかわいい。
実際に天草に会えたら、無邪気に
「天草、天草」
を連発するし。
でも、二人っきりになった時は神妙に話を聞いていましたね。
思いがけない天草の過去の話。
研さんが真剣だとわかったからこそ、
自分の過去を話してくれたんだろうなあ。
視聴者としても、天草のするどい質問の裏に隠れた思いを知ることができて
すごくしっくりきました。
研さんは、天草の隠れた思いを感じていたからこそ
天草のコーナーにあれほど惹かれたんだろうなあ。

今回は台詞もいつも以上にメリハリが利いていて面白かった。
津軽さん家族のシーンのように
研さんが混じるとちぐはぐながらもコントのような面白い会話になるし、
天草はどこでも真っ直ぐに本質を聞き出そうとする。
時には場の雰囲気を壊してでも。
今までは天草の会話はラジオの中、もしくはラジオ局内部での会話で
研さんの住む世界とは切り離された場での会話だったので
そう意識していなかったんですが、
今回天草がラジオから抜け出して、研さんの生活圏にやってきたことで
天草周辺の会話と研さん周辺の会話の落差が面白かった。

今回は本当に脚本が巧かったなあと思うんです。
まず、冒頭の研さんと津軽さんの会話で、
「嘘」と「秘密」というこの回のキーワードが示されます。
で、津軽さん一家とこの「嘘」を使った一連の会話があって、
研さんは津軽さんに
「嘘」は「思いやり」でもあることを教わります。
確かにそれも「嘘」が持つ側面の一つ。
そこでちろっと津軽さんが
「それにお金が絡むと詐欺になりますけどね」
と付け加えるのが憎い。
生まれて初めてお給料をもらった研さんが、
お給料がお金だと聞いて
「お金? サギ?」
と、教わったことをすぐに結びつける。
このやりとりも面白いんだけど、
これで終わりじゃなくて、
このお金の問題がこの回のメインのストーリーにつながっていく。
「嘘」をついて研さんから「お金」を奪った飯塚。
それを取り返しに稲庭工務店メンバーが飯塚の母親の経営する店に。
ここのシーンがすごくよかった。
クライマックスですべての要素が繋がるんですよね。
母親にお金を返せと言い出せない飯塚と正論で攻める室園。
ふわふわと話を逸らそうとする母親と、
他人事のような顔をして酒を飲んでいるその男。
修羅場だあ・・・。
みんなの会話する様子をじっと見ている研さんが切ない。
できれば純粋な研さんにはこんな修羅場は見せたくないなあと思っていると、
それでも研さんはこの醜いやりとりの中に研さんなりの切り口を見つけるんですよね。
「嘘」は「思いやり」だと津軽さんに教えてもらった研さん。
飯塚が自分についた嘘の中に、ちゃんと「思いやり」の心を見つけた。
そして、その真っ直ぐな思いをそのまま飯塚の母親の男(あーもう長ったらしいな)にぶつける。
当然そんな奴に研さんの言葉が通じるわけもなく・・・。
ただ、研さんは自分がぶたれても、蹴られても、そのことでは怒らないんですよね。
でも、研さんを助けるために間に入った津軽さんが突き飛ばされると
一発で怒りのスイッチが入ってしまう。
一気に般若のような怒りの表情になって、男に向かう研さん。
顔に白いものが出始めて・・・
傷口から胞子があふれ出してくるんですね・・・。
この研さんの様子を見た津軽さん、全力で研さんを押さえようとします。
研さんの気持ちを納めるために、
研さんの怒りの気持ちを紛らすために
「私はあなたが好きです」と語りかける。
たぶん、津軽さんは研さんの気持ちを紛らす一番効果的な言葉として
計算して言ったのだと思う。
でも、こういう理由がなければ言い出せなかった思いを
実際に言葉にできたことで、津軽さんの心もきちんと定まったのではないかな。
自分のこの思いは同情ではない、ちゃんと「好き」なのだと。
怒りに満ちた研さんの表情が驚いて、それからゆっくりと怒りがほどけていくのが
すごく愛おしかった。
よかったね、研さん。
津軽さんに「好き」って言ってもらえたよ。
傷からあふれ出ていた白い胞子も消えて、
代わりに首から赤いきのこがにゅーっと。
それに気づいた津軽さんが、きのこを隠すように研さんの首を抱きしめます。
この時の研さんの表情が、本当にきゅんとする切ない顔で。
手をつなぐことも、抱きしめることもできない二人。
これが精一杯の包容なんだろうな。
でも、津軽さんにぎゅっとされた研さんの目に映るのは
仲間たちが取っ組み合っている姿。
そしてその上にひらひらと舞い落ちる札束。
思いがけない告白と包容できゅんとなった研さんの表情が
今度はだんだん悲しげなものになっていきます。
今まで見たことがない仲間たちの姿。
醜い人間社会の一面。
「嘘」は決して「思いやり」というだけではないこと。
人はいろんな顔をもっているのだということ、
それはきっと研さんをすごく混乱させたはずで・・・。
せっかく津軽さんから「好き」って言ってもらえたのに、
ぎゅっとしてもらえたのに、
一人自分の部屋の隅に座って考え込んでいる研さんが切ない。
そして、この研さんの思いが、天草が言った言葉に繋がっていく。
研さんは人間をわかっていない。
自分と一緒にラジオに出て、人間について悩んでみない?
天草の言葉が、自分の中に渦巻く思いと重なり合って、
研さんはラジオに出る決意をします。
ここで、いろんな要素が一つに集約されて、
研さんに大きな決意をさせるという構成が巧いなあと思ったんですよね。
ラジオに出ることで、研さんは今まで以上に広い世界と接点を持つようになるわけですから
新しい展開へと繋がっていくわけなのですね。

今回の稲庭先輩も面白かった。
前回のラストと予告で、稲庭先輩が単独で天草に会いに行っているシーンがあったので
え? 稲庭先輩なんで?
研さんをさらしものにしようとしているの?
って心配していたんだけど、そうではなかったようでよかったよかった。
稲庭先輩は稲庭先輩なりに、研さんを心配しての行動だったんですね。
ある意味稲庭先輩の心配の仕方は、父親的な感じがしました。
津軽さんの心配の仕方が、
不安要素から研さんを遠ざけることで研さんを守ろうとする母親的なものとすれば、
稲庭先輩は大きな危険はないか確認した上で、
できるだけ研さんの意志を尊重してやろうとする見守り方。
それはそれで筋が通っているんだと思うんですよね。
それでも、その合間合間で、研さんと稲庭さんの関係が
自分の思っている以上に近いことを感じると、
ぴりっと反応している感じがすごくリアル。
自分では隠している、もしくは押さえているそのドロドロした感情を
来週はもっとはっきり自覚してきそう・・・。
稲庭先輩の存在も切ないなあ。
研さんにもちゃんと親愛の情を感じているだけに、ね。

話はぶっ飛んでしまいますが、
たまたまタイムラインに流れてきたので、
WOWWOWの斉藤工くんが映画の解説やっている動画を見たんです。
そこで「武曲」のことを取り上げていたのですが、
そのコメントの中で「フランケンシュタインの恋」の話もされていました。
その言葉がすごくよかった。
まさに我が意を得たり! っていう感じ。
うろ覚えなのですが、
「周りを巻き込んで作品の質を高められる役者さん」
みたいな表現だった気がする・・・。
「フランケンシュタインの恋」での撮影時のエピソードも交えて話されていました。
もう博士のシーン、ないのかなあ。
もうちょっと見たいなあ・・・。