フランケンシュタインの恋 第8話

残すところ後2話です。
今からフラ恋ロスが怖いです。
毎週日曜日の夜にリアルタイムで見て、
それから何回か見直しながら、ぼーっとドラマのこと考えて
金曜日の仕事が終わったらコメンタリィ聞いて、
週末に感想書いて、そしてまた日曜日に見て・・・
という、なんともフランケンに彩られた毎日が
あと2週間で終わってしまう・・・。
とにかくじんわりじんわりと染みてくるドラマで、
日常の合間合間にふとドラマのシーンや台詞を思い出して
ふんわりと作品の世界に浸っていました。
Twitterやインスタグラムで公式さんが発信する情報も
愛情あふれる楽しい内容だったな。
公式Twitterのやたらと長くて多いハッシュタグ、
おもしろくて好きでした。
なーんて、もう終わったみたいな感想ですね。
まだ2話残っていますもんね。
では、張り切って8話の感想を。

8話は最後の盛り上がりに向けて大きく物語が動いた回でしたね。
まずワル庭先輩の大告白。
前回の最後に「人間じゃないのは俺なんだよ」と言った稲庭先輩。
その言葉だけでもかなり破壊力があったのに、
その後、まさかこんなに大告白大会になるとは!
夜中に起き出して、殺菌剤を飲もうとした研さん。
不思議な菌の力で永遠の命を得ている研さんが
殺菌剤を飲むというのは自殺行為。
(まあ、普通の人間だって殺菌剤そのまま飲んだらただじゃすまないだろうけど)
でも研さんは自殺しようとしたわけではないんですよね。
あくまでも津軽さんと人間社会で生きていくために
自分の中の悪い菌を殺そうと思っただけで。
自分の意志の力で悪い菌の放出を押さえられなかった研さんが
手っ取り早く(というか藁にもすがる思いで)薬に頼ったんですね。
でも、稲庭先輩にとったらそれは研さんの自殺行為に見えてしまった。
研さんに自分を責めずに俺を憎めと言った先輩。
研さんをラジオに出したのは自分だから、と。
津軽さんの目を覚まさせたくて、
研さんの純粋な心を汚したくて、
研さんをラジオに売り込んだ、と。
確かにひどいんだけど、やっぱり稲庭先輩が悪い人には見えない。
だって本当にこれくらいの悪い心、誰だって持ってるもの。
言わないだけで、表に出さないだけで。
でも、稲庭先輩は研さんの心を救うために隠しておきたかった心をさらけ出した。
自分を殊更に悪者にして、研さんの重荷を軽くしようとした。
こんな話をしている最中に鳴る電話の空々しさ。
電話に出ようとしてこの場に出くわした社長のぽかんとした感じ、好きだったな。
対する天草側の場面は真っ白な部屋に白々とした蛍光灯の光。
この空間の対比がよかった。
ここからラジオサイドと稲庭工務店のシーンが巧く平行して描かれていくんですよね。
稲庭先輩の話を聞いている内に、表情がどんどん大人びていく研さん。
大人びていく・・・というのは違うか・・・。
稲庭先輩の言葉を受け止めて、考え込む表情になっていく。
ここで今回のキーワード「矛盾」が出ました。
稲庭先輩が人間はみんな持っているといった矛盾。
研さんは自分の心の中の矛盾を探し始めます。
でも一から新たに探したわけじゃない。
きっと研さんはずっと矛盾を感じていて、
でもそれを言葉に置き換えられなかったから
もやもやとしたものとして心に抱えていたんじゃないかな。
それを稲庭先輩から「矛盾」と言う言葉を教えてもらって
ああこれは「矛盾」というものだったんだと納得して
自分の中の「矛盾」を拾い集めていく。
手にしていた殺菌剤をもとに戻して、
「稲庭先輩は本当のことを話してくれました。
僕も本当のことを話します」
と稲庭先輩と津軽さんに告げます。
研さんは必死で自分の醜い面をさらけ出して話してくれた稲庭先輩を見て
自分が人間界で生きて行くには、
菌を殺す薬を飲むんじゃなくて、
自分をさらけ出して受け入れてもらおうとする勇気が必要なんだと思ったんじゃないのかな。
でも、稲庭先輩にはそれがまた神経を逆なでする。
あまりにも真っ直ぐで純粋な研さんの反応に、
またワル庭の心がむずむずしてくる。
翌朝、研さんは稲庭工務店のみんなに本当のことを話します。
ここはラジオ局とのカットバック。
どうしても説明台詞が多くなる場面で、
しかも怪物の正体は視聴者にはすでにわかっていること。
それを二つの場面を切り替えることでテンポよく説明も一気にすませられる巧い方法。
しかも稲庭工務店のメンバーとラジオ局、
同じことを聞いたときの反応も対比できますもんね。
研さんは自分の中にある菌の説明を津軽さんに求めます。
でも稲庭先輩が津軽さんの代わりに説明を始めてしまうんですね。
そして、そのまま自虐的に自分を追い込んでいく。
オンエア時にはなんでこの人はこんなに挑戦的な目をして
殊更に自分を悪く見せようとしているのか、
ワル庭先輩の告白と考えると冒頭からこの場面まで
あまりにも長すぎないか? と思ったのだけれど、
繰り返し見た時に納得できました。
稲庭先輩は怒って欲しかったんですね。
この後の社長が津軽さんに話した稲庭先輩の過去を聞いた後、
改めてこのシーンを見ると、切なさ倍増。
稲庭先輩は変に賢いからね、計算しすぎちゃうところがあるんだね。
それが全く裏目に出てしまったお母さんの死に際。
怒って欲しかったのに、この子が心配だから早く退院しなくちゃって
思って欲しかっただけなのに、
大好きなお母さんに謝らせて、
病気のお母さんに心配だけかけて、そのまま亡くならせてしまった。
その後悔が、懺悔の念が、稲庭先輩の心に大きな陰を落とした。
考え方とか発想とかってそう簡単に変わるものではないから、
稲庭先輩はことあるごとに自分が抱えているそのずるがしこい
決して人を幸せな気持ちにさせない思考や行動を嫌悪していたんじゃないかな。
2話で研さんに言った
「誰かと一緒に生きると言うことは人間の罰のようなものですから」
という言葉も、きっとこういう意識が言わせていたんだろうと思う。
だから人の気持ちを逆なでるような物言いで研さんに、みんなに食ってかかった。
今までの先輩の気持ちを思うと切なくて、
こんな風に暴発してしまう先輩が切なくて・・・。
でも研さんは怒らなかった。
人の本質をつかみ取るのがとてもうまい研さんだから、
稲庭先輩の辛さも、ひどい物言いの下に隠した本当の気持ちも、
ちゃんと感じ取ったのだと思う。
稲庭先輩は怒って欲しかったんだろうけど、
それは裏を返せば、研さんのように、
すべてを受け入れてその上で愛してくれる人を欲していたっていうことでもあるのだと思う。
この回はある意味稲庭回で、稲庭が大切に描かれているというのは、
この後のシーンで研さんをフォローするのではなく、
稲庭先輩と室園さんとのシーンを丁寧に描いたこと、
その後、稲庭先輩の過去を父親に語らせることで、
稲庭先輩の行動のバックボーンを伝えたことでもわかる。
室園さんはちゃんと稲庭先輩のだめな部分もわかった上で好きでいてくれる。
お父さんも、稲庭先輩のこと、ちゃんと見ていてくれる。
それが伝わるいいシーンでした。
そしてこの稲庭先輩の告白&暴発があったからこそ、
研さんは天草さんにラジオで釈明しませんか? って言われたときに
それほど迷わずに出演を決断したのだと思います。

今回の天草さんを見て、この人はある意味稲庭先輩とよく似た人なのかな
という気がしました。
稲庭先輩と対になる存在、という感じかな。
稲庭先輩のようにずるさや計算高い部分もちゃんと持っている。
その一方で、研さんに対する愛情もちゃんとあるというような。
前回の公開放送に研さんを出した時は、
完全に計算が勝っていたと思うんですよね。
研さんの性質をわかった上で、
しかも倒れた十勝さんの様子も見ていた上で、
公開生放送という非常に精神的に負荷のかかる場に出したのですから。
でも、今回は保身に走るラジオ局のメンバーとはちょっと違う様子。
ラジオ的にも自分たちが引っ張り出した研さんが起こした事件について
責任を持って事実を伝えなければならないという
ラジオのパーソナリティとして至極真っ当な考え方をしているし、
研さんに対しても、他のメディアで面白おかしく嘘八百交えて伝えられるなら
きちんと自分の口で説明する場を用意してあげようというような、
研さんのことを考えたとても理性的な方法を提案している。
前回の公開収録は絶対出すべきじゃないでしょ? と思ったけど、
今回の件は天草さんの言うことにも一理あると思うんですよね。
こういう問題って答えがあるわけではない。
終わってしまったあと、ああすればよかった、
こうしておいた方が上手くいった・・・ということはわかるけれど、
起こる前はなにが正解で、なにが間違いなのかわからないですよね。

・・・ということを何となく思ったのは、
今回は津軽さんがはっきりと止めにはいったから。
今まではこういう場面でいっつも、
津軽さん、なんで止めないの?
って思っていました。
研さんをラジオに出すことはどう考えてもデメリットの方が大きいと思ったから。
他の人は賛成しても、津軽さんだけは反対してよ、と思ってました。
今回、ようやく津軽さんがはっきりと引き留めたんですよね。
深志さんをラジオに出さないでって。
理屈はどうであれ、研さんを大勢の人の好奇の目にさらすことが耐えられなくて。
これ以上研さんを傷つけたくなくて。
深志さんが人間の世界で生きられないのなら
自分が深志さんと一緒に山に行くからって。
そこで二人で暮らしましょう・・・って。
でも、研さんはそんな津軽さんを見て、どこか悲しそうだった。
そうか、研さんはずっと津軽さんと人間の世界で生きていきたいと思ってたんだね。
決して津軽さんを人間の世界から引き離したかったわけではない。
津軽さんを独り占めしたかったわけでもない。
やっと積極的に動いた津軽さんにほっとしたものの、
ああ、ちがう、津軽さん、そうじゃなかったんだ・・・って残念に思った矢先、
研さんの記憶が一部蘇り、そして津軽さんは倒れた。
津軽さんの病気設定を知った時からこの時がくるのはわかっていて、
そろそろかなあ・・・とは思っていたんだけれど、
ついに来てしまいましたね。
さあ、物語もいよいよ大詰めです。

さっき正解はわからないのだからと書きましたが、
このドラマには唯一先が読めているような人物がいますよね。
研究室の鶴丸教授。
このドラマ、基本的にちゃんと人物が人間として描かれていて
役割優先で存在する人物ってあんまりいないんですけど
(毎回のゲスト的な脇の人物は除く)
唯一鶴丸教授だけは例外かなあって思っていて・・・。
この人、すごくよくわかっていますよね。
そんでもってこれからわかることを予言的に言うことも多い。
初回から「彼の心は人間そのものだ」って断言していましたし。
でも、ここまでもっと長い時間一緒にいて、もっと会話している津軽さんが
この人は人間なのか、怪物なのかわかりかねている段階で、
ほんの少し彼と話した教授が
「彼の心は人間そのものだ」
って言うのはなんか少し違和感があって、
でも、鶴丸教授は心を科学として研究している人だから・・・ってなんとなく納得して。
次は、津軽さんが集めてきた資料から
彼の心のありようによって放出する菌が変わるということを導き出す。
ほんまか? と言う気はするものの、まあ、研究者だからわかるのかなあ
と思っていたら本当にその通りだったし、
彼は頭がいい、ラジオの本質を見抜いている、
というのも、今回研さんが怪物と思われないためにわざと怪物の振りをしたと告白したので正解。
研さんが経験を積んで複雑な感情を理解するようになると
今までになかった菌が生成される・・・というのも
黒い胞子の放出で証明されました。
だんだん、なんでわかったの? と考えるのはやめて
教授が言うことは予言なんだ、教授はこの物語世界の解説者なんだと割り切って聞くようになったのですが、
今回は
「私は深志博士を尊敬している。。深志博士が彼の心を信じて彼を生み出したのだから、私は彼の心を信じる」
と予言しました。
あんた、深志博士のなにを知ってるねん! と一瞬思ったのは内緒です。
でも、教授がこう言った以上、深志博士は愛情を持って彼を生み出したということですね。
2話の回想で、そうかなあと匂わせてはいましたが、
彼の心を信じている、というのは、また大変な表現ですね。

でも、その表現決して大げさじゃないんじゃないか・・・
っていうのが8話のラスト&予告。
今回、かなり重い回だったと思うんですけど、
ラストと予告で、全部ぶっとんでしまうくらい衝撃でした。
研さんが本当の自分の名前思い出した!!
しかも、予告でちらっと映った研さんの生前の姿のかわいらしいこと!
元気いっぱいの純朴な青年。
おっとりとして子供っぽいピュアさをもった研さんとは
またひと味違ったピュアさ満載。
ああ、これなら深志博士も生き返らせたいと思うかも!!
という期待がめいっぱい膨らむ予告でした。
今まで本編で出てきた生前の姿って、
お地蔵さんの前でサキさんと手を合わせているカットと、
今回回想でちらっと入ったベッドに寝ている姿だったので
もっとおとなしい感じの人かと勝手に思っていました。
でも、写真に写った呼六さんはめっちゃ笑ってましたね。
ただね・・・、研さんが過去を思い出したということは、
自分が愛する人を殺してしまったっていうことも思い出す・・・
というか気がつくわけで・・・。
研さん、切ないな。
予告で、懸命にこの世で生きようとしている人に話したい
みたいなことを言っていたので、
研さんにとってラジオに出る意味は変わってしまったのかもしれないな。
天草さんに説得された時は、自分がこれから人間の世界で生きていくために
稲庭工務店でしたように今度はラジオのリスナーに向かって話そうとしたんだと思うんだけど、
津軽さんが倒れてしまった今、ラジオに出る理由は失われてしまった。
だって研さんは人間の社会にいたいわけじゃない。
津軽さんといるために、人間の世界にいたいんだもの。
そして、今、津軽さんは生死の境をさまよっていて、
自分は津軽さんの側にいることはできない。
だからこそ、ラジオを通じて津軽さんに語りかけるしかない
という理由になっていくんだろうな。
後2回かあ・・・心して見るぞ!


フランケンシュタインの恋 第7話

もう7話なんですね・・・。
そろそろ終わりまでの話数が少なくなってきてちょっと寂しい。
ここに来てますます番宣として新しい企画を出してきたりして
内容も広報もきちんと力が入ったドラマだなあと改めて思います。
7話での天草のラジオ企画おもしろかったですね。
結構10時からの30分、時間を持て余していることが多くて、
早めにスタンバイしちゃうと眠くなっちゃったりして困っていたので
始まる前の30分を楽しく過ごせたのはよかったな。
ドラマが始まるわくわく感も増したし。
ただ、ドラマを見ながら配信を聞いちゃうと集中できないので
そこはもうちょっとなんとかならなかったのかなとは思います。
後ろ髪引かれながら天草離脱してドラマに集中。
もちろんあとからYOUTUBEで全部みましたけどね。
企画自体をドラマにかぶせちゃうと・・・ちょっともやもや。
みんなでわいわいしながら、ながら見でOKというドラマじゃなくて
毎回ガッツリと見ないとよさが半減するタイプのドラマなだけに余計に、ね。
なんか公式がながら見を助長しているような気がして・・・。
でも、おもしろい企画だとは思ったんですよ。
ドラマの世界から飛び出した企画として。新井さんも積極的に協力してくれて・・・。
新井さん、映画の撮影もあるみたいなのに、今週すごくがんばってくれましたよね。
バラエティにも出てくれたし、コメンタリィにも!
この時期撮影が立て込んでいてなかなかキャストの宣伝活動が難しい中
本当にがんばってくださったなあと嬉しくなりました。
コメンタリィを聞いていても思うのですが、
本当に現場の雰囲気がいいんだろうなあと感じます。
視聴率的には苦戦しているんだけど、
現場の雰囲気はそのことに振り回されてはいない感じがする。
いいものを作ろう、このドラマの世界を作り上げよう
という思いで一致しているんだろうな。
それだけにもっと多くの人に知ってもらいたいな、見てもらいたいなと思う。
先週なんて久々にTwitterでも盛り上がっていたのに
それが結構限られた範囲の中の盛り上がりで
外に広がっていかないのがもどかしい。
確かに万人受けするタイプのドラマではないけれど、
決して敷居が高いドラマ(分かる人だけ分かればいい)という訳ではないので
なんとかもっと多くの人に見てもらえないかなあと願っています。

さて、内容の感想です。
今週は先週の衝撃的なラスト、
十勝さんの前で黒い胞子を飛ばすという衝撃的なシーンから始まったので、
全体的にずっと研さんが辛そうで切なかった。
十勝さんが助かるかどうか分からないときはずっとそれを気にかけていたし、
それからも中盤は室園さんとの楽しいやりとりが多かったんだけど、
何となく先週までのような無心の楽しさというよりは
ずっと心になにか重いものを持っている感じが漂っていて・・・。
不安げな研さんはどこかはかなくて、
そしてなんか表情が中性的な感じがしました。
こんなはかなくて切ない表情・・・きゅんときてしまう。
なんでこんな切ない表情ができるんだろう・・・。
先週まで確かにあった経験を積み上げることで得てきた自信は
ちょっとどこかにいってしまったようです。
自分が強くなれば津軽さんを守れると思ってがんばってきたのに
自分の弱さから十勝さんを危険な目にあわせてしまった。
いつか津軽さんも危険な目に遭わせてしまうかもしれない・・・
そんな自責の思いが研さんの心を縮こませてしまいます。
そしてその思いを津軽さんにそのまま吐露してしまうんですよね。
ここの台詞好きだったなあ。
微妙に言葉足らずにしてあって、真意がストレートに伝わらないように
ちょっとずらした言葉が選んであって、
ぱっと聞いたら「津軽さんといることがこわい」という意味にとれてしまう。
もちろん、真意は「津軽さんを危険な目にあわせるかもしれない自分がこわい」
なんだけど、こういう表現、こういう言葉になっちゃうのが
なんだかとっても研さんらしい。
今回、津軽さんも言い過ぎているところがあって、
十勝さんのことでへこんでいる研さんに
「研さんは何があっても怒ってはいけないんです」
と言ってしまいます。
研さんが人間社会で生きていくためには確かに怒ってはいけないというのは必須のことなんだけど、
稲庭先輩もかばってくれたように
人間なら誰しもプライドを傷つけられたり存在を否定されたりしたら怒るもの。
いや、人間だからこそそういう場面では怒って当たり前なんです。
その感情を否定することは、研さんの尊厳を否定することにもなる。
津軽さんも研さんも、決して間違ったことを言っているわけじゃない。
でも、自分で自分の言った言葉を心の中で反芻して
その言葉が相手を傷つけたかもしれないということにちゃんと気づける。
そして、そのことをちゃんと謝れる心優しい人たちなんですよね。
そういう部分を本当に丁寧に描いてある作品だなあと思います。

一方、意図的に相手を挑発して傷つけようと言葉を使うのが
アシスタントパーソナリティの大宮リリエ。
今回の感想は「この女~なにすんねん」につきます。
それだけ圧倒的な攻撃力でしたねえ。
もうムカついてムカついて!!
研さんを追いつめる時の圧倒的な美しさ。
すごくまがまがしい邪悪な美しさ。
明らかに自分が優位に立って、高見から人を断罪する残酷さ。
それも自分発信の意見ではなく、あくまでも十勝さんの代弁者というスタンスでしゃべっていますからね。
なおさら質が悪い。
思えばちゃんと初回からこの人の悪質さは描かれて来たんですよね。
メインパーソナリティの十勝さんが天草さんに悪感情を抱き始めたのは
この人が天草に対する不満をもらしたから。
以降、十勝さんは常にリリエさんの顔色を見ながら天草を攻撃していく。
かと思えば、研さんがハンサムな実在する人物と知るや
手のひらを返したように天草のコーナーを応援する。
十勝さんは巧いこと操られて一人置いてきぼりをくらった格好なのに
天草を攻撃する勢いは止められず、一人で孤立しながら攻撃をエスカレートさせていく。
その結果が今回のことの発端。
だからリリエがある意味すべての元凶とも言えるんですよね。
そして、研さんが怪しいと知るや否や、
これまでの研さんびいきの態度を一変させて攻撃に打って出る。
この人はもめ事が起こるのが嬉しくて仕方ないんですよね。
まさに獲物を見つけた猛禽類のような目で研さんを追いつめていく時の美しさ。
これがこの人の本性なんだろうなあ。
十勝さんもね、ある意味嫉妬の鬼となって研さんを攻撃した。
こうした負の感情に支配されると言うのも人間の姿。
そして、自分の感情のままに人を攻撃して追いつめていくことを楽しむリリエもまた
極端だけど一つの人間の姿なんですよね。
稲庭先輩は「人間じゃないのは僕なんだ」と言っていましたが
今回一番「こいつ、人間じゃねえ!」と思ったのは
この大宮リリエでした。
人間ではないけれどもとても人間らしい純粋な心を持つ怪物と
人間だけど人を傷つけて喜ぶモンスターのような心を持つ人間と
どっちが人間らしいんだろ・・・。

今回もまたワル庭先輩だったですね・・・
でも、なんかずっと毎回感想に書いている気がするんだけど、
私は稲庭先輩に対してはそれほど悪いとは思えなくて、
あくまでも人間らしいぶれを持つ人という感じ。
それでも今までは、積極的にラジオに研さんを出して
研さんが人を危険な目に遭わせたらどうする気なんだろう・・・
と思っていたんですが、その部分の謎は解けました。
稲庭先輩は自分が側についている以上
研さんが胞子を出して他人を危険な目に遭わせても
自分は絶対に助けるという自信があったんですね。
そういう意味では、自分の存在が研さんの感情暴発の抑制になる
と思って研さんの側にいる津軽さんよりも
ずっと現実的な自信かもしれない。
今回天草さんが研究室に来て、研さんの身体のことを教授に尋ねますが、
考えてみれば、あの場面に集まった4人のうち、
津軽さん以外の三人は程度に差こそあれ同じ穴のムジナですよね。
教授だって研さんの危険性を分かった上でラジオに出ることをよしとした。
時にはラジオでハプニングが起こらなかったことに落胆さえしていた。
研さんが他の人を危険な目に遭わせたり
ラジオに出ることで研さんが傷つくということより、
新しい経験が研さんの身体の中でどう反応して新しい菌を生み出すのかという
学問的な好奇心の方が勝っていた。
天草さんだって、今までは研さんの正体を知らなかったとはいえ、
公開ラジオの場に出るように言った時には
すべてを分かった上で、それでも自分がメインパーソナリティの席に座るため
研さんを利用しようとした。
みんな、結局同じなんだと思う。
でも、おそらく教授は、十勝さんを危険な目に遭わせてしまって
消え入りそうなくらい落ち込んでしまっている研さんを見て、
研さんを研究対象ではなく、心を持った人間として改めて認識したんだと思う。
だからこそ、天草さんに研さんの心を見せ物にしないでほしいと頼んだ。
稲庭先輩も、殺菌剤を飲もうとした研さんを見て思わず本当の気持ちを吐露します。
自分が津軽さんから研さんを遠ざけたいがために研さんがラジオに出るように仕組んだ。
「人間じゃないのは、僕なんだ」
の一言の後の主題歌は、重く重く響きました。
今回は稲庭先輩の思いとして「僕は人間じゃないんです」という歌詞を聴いたので
この曲が持ってる本来の意味で曲が伝わったような気がします。
天草さんは・・・天草さんはどうなんでしょうね。
やっぱり、自分の利益の為だけに研さんを利用したんでしょうか。
研さんが不安定になったとき、
大宮リリエを止められず、でも真っ先に彼女を守ろうとした。
研さんはリリエの言葉と言うよりも、
そういう天草さんの態度に傷ついて盛大に胞子を出してしまった。
次回、天草さんがどう動くかで天草さんの気持ちがもう少し見えてくるのでしょうが
今回の段階では「天草~ひどいよ~(´;ω;`)」という気分。
どうか、どうか、天草さんにも研さんを思う気持ちがありますように。

今回の研さんは、頼りない子犬のようでした。
公開番組の会場から逃げ出す様子とか、
ゴミ箱の隙間に隠れて、津軽さんに見つかるとほっとして眠ってしまう様子とか・・・。
疲れ果てて眠ってしまった研さんに
いいよ、いいよ、このままずっと寝てて・・・。
と願わずにはいられませんでした。
でも、夜中に怯えて起き出してしまう研さん。
暗闇の中で側についていてくれた津軽さんを見た研さんの切ない目。
そして、自分の手をじっと見つめる。
愛する人を抱きしめられない、手。
愛する人の命を奪ってしまうかもしれない、手。
切ないね、研さん。
今回はなんかずっと切なくて、ラストもやっぱり辛くって、
ついでに「武曲」を見に行ったのですが、これも別の意味で辛い話で
実生活でも仕事でいろいろあって精神的に疲れてしまっていたので
なんとなく辛い一週間でした。
来週の展開も辛そうだな。
光が見えたらいいんだけれど・・・。


ところでFITのCMかっこいいですね!
今の研さんの格好をしていない綾野君のストレートな髪と雰囲気がとても好きなので
この姿で映像作品として残ってくれるのはとても嬉しい。
そして、なんて綾野くんにぴったりなコンセプトなんでしょう。
docomoのようにキャラを作った感じではなく、
ミンティアやDUDAなんかと近い、作り込まない感じのたたずまいなんだけど
ミンティアともDUDAとも違っている存在感がすごい。
なんと言っても綾野君はCMに恵まれているなあと思います。
CMに起用されるだけでもすごいのに、
とても面白味のあるCMが多い気がするもの。
30秒の映像作品として見ていられるような企画性の高いCMが多い。
綾野君の役者としてのあり方が、そういう仕事を呼び込むのかなあ。
宝くじのCMが終わってちょっと寂しかったんですが、
また楽しみが増えました。


フランケンシュタインの恋 第6話

フランケンシュタインの恋はTwitterで公式に絵を募集してて、
フラ恋絵というタグをつけてつぶやけば、
毎週、放送前に怪物さんご本人がその週のフラ恋絵大賞を発表してくれる
という楽しい企画があるので、
フラ恋絵で検索かけてそうした絵を見るのとっても楽しいです。
絵が描ける人はいいなあと思います。
ここ好きだったな、と思えるシーンを
絵という表現で人に伝えられるのっていいな。
それに、絵を描く人は見ているところが違うな、と思う。
細かい手の動きだとか、表情とか。
一生懸命見ているつもりでも、目に入ってないんだなあ・・・。
そんな部分に気づかせてくれるんですよね。
そういえば、子供が小さいときも思ってたなあ。
日々のあれこれをイラストで残せたらなあって。
ぜんぜん絵心がないのでまったく描けないんですけどね。
だからこうやってたくさんの言葉を費やして、
感想を書くしか感動を形に残す方法はないんだよなあ・・・。

今週の終わり方は苦しかったです。
日曜の夜はちょっと眠りが浅くなって、夢の中で一晩中このドラマのこと考えちゃったくらい。
久々にエンディングの歌詞が深く心にグサグサ刺さりました。
最後に泣きそうな顔になって、津軽さんに
「ごめんなさい」
っていう表情が切なくて、切なくて・・・。
綾野くんが演じてきたたくさんの人物たちの中でも、
ドはまりしてしまう人物(キャラクター)が時々いるんですけど、
研さんもその内の一人になったなあ・・・っていう感じ。
もちろん今までだってかわいくて大好きだったんだけど、
ビジュアルとしてとか、設定としてとかじゃなくて
そんなことを遙かに越えて、心惹かれる。
この人に、心から幸せになってほしいと思う。
綾野くんは役にそういう力を与えることができる役者さんなんだよなあ・・・。

今回は見ている最中はちょっと歯がゆくて・・・。
やっぱり津軽さんの動きが少ない回は、
津軽さんの心がつかみきれなくて消化不良になってしまう。
津軽さんの思いが前に出ていないので、
ええーっ、なんでラジオに出ることを反対しないの?
研さんを守ってあげて!
とオンエア時にはそればっかり思って見ていました。
だって、あんなピュアな研さんをラジオなんていう公共の場に出してしまったら
研さんが傷つくに決まってる。
見せ物にされて、さらし者にされて・・・
そして研さんが本性を見せてしまうと狩られてしまうかもしれない。
なのにどうして黙って見ているの?!
でも、落ち着いて見直してみると、津軽さんには津軽さんなりの思いが
ちゃんとあることはわかる。
研さんは津軽さんを守るためにがんばっているんだから、
見守るしかないんだよね。
怪物と呼ばれた幼稚園児のお母さんのように、
こけるかもしれないということは分かっているけど、
それでも見ているしかないんだよね。
津軽さんは自分が言った言葉にも、縛られているところがあるのかもしれない。
前回、研さんが人間の社会で生きようとがんばっている理由を
「自分の世界が広がるのが楽しい」からだと稲庭先輩に答えた津軽さん。
この言葉を踏まえてなのかどうなのか、
稲庭先輩は、
「研さんを狭い所に閉じこめておく権利は俺たちにはないよ」
と言います。
天草は天草で、研さんがラジオで人気が出たのは
「研さんが自分で社会に関わりを持った証です」と言う。
こう言われてしまうと、心配だからと言う理由で引き留めることはできませんよね。
だって、研さんは自分を守るために強くなろうとして
自分の力で世界を広げ初めているのですから。
わかる、わかるんだけど、ヒロインとしては引っ込んじゃうんだよなあ・・・
素直に感情移入できないんだよなあ・・・。

そういえば、研さん、ラジオで嘘つきませんでしたねえ。
前回、あれだけ嘘にまつわる話で、
「嘘」は「思いやり」で、相手を戸惑わせないために「嘘」は必要
って学んだのに、あっさりと
「フランケンシュタイン 120歳です」
って言っちゃってるし。
稲庭工務店のみんなにも言っていないのに、
120年前に生き返ったことや、それからずっと森で生きてきたことなんかも話しちゃってるし。
そこはすかさず教授がフォロー。
「彼は頭がいい、ラジオの本質を見抜いている」
確かに、ここからは(ラジオでは)ラジオネームで行きましょうと天草さんに言われましたから
ラジオはフィクションの世界なんだ、と研さんは了解したのかもしれません。
自分でもずっとラジオを聴いていたわけですから
その辺は感覚で理解していたかも。
どうせ名前も架空のもので通じるのだから、
本当のことを話しても架空のこととして認識されるんだろう・・・と。
実際に稲庭工務店のみんなには、
ラジオ用に研さんが作った設定だと理解されていましたもんね。
もしくはもっとシンプルに、
名前が嘘なのだから、本当のことを話しても
深志研とは切り離せるだろう。
つまり自分を知る人で、本当の話を知って混乱する人はないだろう・・・
くらいの思いだったのかもしれない。
まあ、嘘つこうにも、
「自分は人間を殺すかもしれません」
というこれまでの投稿とつじつまを会わせられるほど高度な嘘を
研さんがつけるとも思わないですけどね(;^ω^)

教授の言葉が要所要所で効いているんですよね。
ここでまず研さんの適応能力の高さを指摘して、
その後、複雑な感情を理解するようになるとどんな複雑な菌がまき散らされるかわからない、
と予言めいたことを言います。
つまりは経験を積むことは研さんを人間社会に馴染ませていくが、
同時にいざ非常事態が起こった時にはその危険性は高まる、
ということなのですね。
研さんが積極的に人間の社会に関わっていくことは諸刃の刃。
教授の言葉があることで、津軽さんや稲庭先輩だけでなく、
視聴者も今まで以上に研さんの感情が爆発する瞬間を
どきどきしながら見守ることになります。

今回、天草のコーナーで研さんに課せられたミッションは三つ。
コンビニで店員としてクレーマーに対応する。
離婚の話し合いをしている夫婦の会話に参加する。
幼稚園児がかけっこに挑戦するのを見守る。
ちょっと三つ目だけ性質が違う気がするんですよね。
前の二つは天草さんが意図的に研さんに負荷をかけようとして選んだんでしょうね。
天草さんは第2話で自分がヤクザの家に乗り込んだように
研さんにも捨て身のインタビューを要求するんですね。
つまりは天草さんにとっては、フランケンシュタインのシリーズでは
関心がリスナーに向かっているのではなく、
研さんに向かっているんですねえ。
それってすごく酷だと思うんだけど、
これはもう、天草という人がそういう人なんだと思う他はない。
歯に衣を着せぬストレートな問いかけは、
誰に対しても向けられる。
今回は稲庭先輩にも鋭かったですもんね。
「それはあなたが望んだことじゃないんですか?」
とズバリと痛いところをついてきました。
前回は津軽さんに
「(研さんを山から連れてきたことは)重荷ではないですか?」
「あなたはこれから研さんをどうしたいんですか?」
って、ずばずば聞いていました。
自分が謎だと思うことは尋ねずにはいられない。
そして、かなり本質的なことをつかむのが巧い、
つまりは鋭い人なんだと思います。
そういう人が「人間について知りたい」とどん欲に動いたら、
そしてその場が公共の電波を通して与えられたのなら、
こうなってしまうよなあ・・・。
そして、天草にとっては研さんはちょっと変わった人間で、
人間探求の格好の矛先なんだろうなあ・・・。
それってある意味とても残酷なことなんだけど。
ラジオのプロデューサーはね、きっと欲得だけでものを考えていて
研さんの人気が出ているから使えとしか考えていないと思う。
変わった人を連れてきて見せ物にする。
その残酷さも危うさも罪深さも理解しないまま。
でも、天草さんはそうじゃないと思うなあ・・・
というか、思いたい。
今回のラジオの一件は、やっぱり、研さんをさらし者にして喜ぶ
そんな悪趣味な企画にどうしても見えてしまうんですよね。
もちろん、ラジオに出ることを通して、研さんはきちんといろんなことを学んでいるんですけどね。

今回の最初のミッション、コンビニの店員。
これは、腹立ちますよね。
研さんじゃなくても、いや、違うな、
研さんじゃなかったら怒ってぶちぎれてるくらいのひどい客。
でも、研さん、素直にいなします。
客に首根っこ捕まれて、すわっ、研さん怒るんじゃないの?
っていう演出も憎い。
でも、研さんは怒りません。
研さんって決して怒りやすい、沸点の低い人じゃないんですよね。

二度目のミッションは離婚の話し合いをしている場に同席させること。
人間のイヤな面が前面に出るシチュエーションで、
しかも研さんが持っている恋愛観とは全く違った話を聞かせる。
非常に研さんの心に負荷がかかる場面。
妻と愛人をあっちはあっちこっちはこっちで
ちゃんとどちらも大切にしてきたという旦那。
この旦那の理屈を
「わかる?」
と聞かれて「ちょっと何言ってんのかわかりません」という言い方が
また出た! という感じでかわいい。
前もこういう台詞あったよなあと思いながらも
2話だっけ? はじめの頃だよなあとしか思い出せず・・・。
録画をたどる時間もないまま週末になってコメンタリィを聞いてわかりました。
初回だったんですね。
しかもできるだけ初回の言い方にかぶせたそうで。
脚本家さんが意図してこの台詞をしくんだかどうかはわかりませんが
(多少は意識していたんだろうなという気はする)
でも、綾野君がああいう演技をしなければ、するっと流れてしまったようなさりげない仕掛け。
そういう脚本の中で埋もれがちな仕掛けや台詞を
宝物を探すみたいに掘り出して、
丁寧で的確なお芝居として表に出してくれる。
これは脚本家さんにとって、とっても嬉しいことだろうなあと思いながら
コメンタリィを聞いていました。
この2回目のミッションで核になったのは
「虚しい」というキーワードを研さんが覚えたこと。
天草さんの解説がいいんだ、これが!
「信じているものに裏切られるのが、悲しい。
最初から信じる価値がないのが、虚しい」
この後、津軽さんにもこの言葉について聞いていました。
そして、ラスト、研さんが感情を抑えきれなくなるトリガーとして
この言葉が使われます。

この2回のミッションを経て、研さんは少し自信をつけた様子。
そうだよね、すごい修羅場を2回経験して、
怒らずに乗り越えたもんね。
住んでいる町まで帰って来て、迎えに来た津軽さんを見た時の顔、
ちょっと得意げな気がする。
津軽さんを送っていくシーンっていままであったかなあ。
一方、研さんを積極的にラジオに出すことの真意を天草さんに見抜かれた稲庭先輩。
たぶんここまで自分ではしっかりと意識していなかったんじゃないかな。
自分がどこかで研さんが傷ついたり、さらし者になることを望んでいるだなんて。
同じことを室園さんからも見透かされます。
ラジオに研さんを出すのは津軽さんと研さんを引き離すためかって。
恋する乙女は感覚がするどい!
いや、もともと室園さんは結構人をちゃんと見ていますもんね。
二人に指摘されて、さすがに愕然とする先輩。
天草さんに研さんをまだラジオに出すつもりなのかと確認の電話をします。
確かに稲庭先輩のダークな面が前面に出たこの回。
でも、そんなにダークな感じはしなかったんですよね。
人間だったらあり得るちょっと残酷な方に気持ちがぶれる感じ?
稲庭先輩は頭がいいから、自分のそういうダークな感情を
上手に「研さんが望んでいることだから」という理屈に置き換えた。
でも人から指摘されて自分が自分で隠してしまった嫉妬の感情に気づいたら
ちゃんと軌道修正しようとするのも人間くさい。
研さんと津軽さんが人並みはずれて純粋で真っ直ぐなので
これくらいのぶれがすごくダークに見えてしまうけど
たぶん他のドラマの世界に連れてったら、
稲庭先輩はとんでもなくいい人の部類に入る人だと思う。

で、三つ目のミッション。
稲庭先輩から軽いストップが入ったからなのか、
次に天草さんが選んだミッションは幼稚園でのかけっこ。
怪物と呼ばれる義足の少年を見守るミッション。
今までのミッションと比べて一気にわかりやすい感動系のミッションにいってしまいましたね。
だから余計に十勝さんが激しく反応したんだと思うんですけど・・・。
だって、これ、ラジオの企画っぽくないですよね、明らかに。
どっちかというとテレビっぽい。
それも視聴率アップを狙ったようなタイプのテレビのバラエティっぽい。
逆に言えば、依頼の手紙の内容自体は、すごく真っ当なんですよね。
怪物だと名乗る研さんに宛てた依頼としては、
離婚の話し合いの関に同席してって依頼するよりもあり得そうな気がする。
天草さんはこの依頼を選ぶことで、何を狙ったのかなあ。
悪く取れば、大人のように理屈で理解できない子供たちの相手をさせることで
研さんに違った角度からの負荷をかけてその反応をみようとした。
いい方にとれば、稲庭先輩が心配する気持ちを受けて、
研さんにとって負荷がかかりにくい依頼を選んだ・・・
うーん、どっちだろ。
でも研さんは目の前の状況から自分なりの「学び」を見つける天才。
最初のミッションではクレーマーの気持ちを知ったことに感謝してましたし、
二つ目のミッションでは、どっちが悪いという泥沼の言い合いには関わらず、
どちらも悲しいという本質を見抜いた。
(研さんがこう言い出したとき、天草さん「ほう」という顔で研さん見てましたね)
ある意味、物事や人間の本質を見抜く力がとてもある。
天草さんのそれが、人を質問で突き刺す鋭い剣のようなものだとすれば
研さんのそれはもっと優しい、そっとすくい上げるような網。
三度目のミッションで研さんは、人の力を知ったのだと思います。
怖くても一歩踏み出す力、転んでも起きあがる力、走りきる力。
そして、それを見守る人が持つ力。
怪物が人間に
「強い人間が怪物になるんです。怪物になってください」
と語りかけるシュールさ。
この時一瞬研究室のカットが入って、教授も一言
「複雑だ」って言っていましたね。
人間になりたい怪物と、
怪物になろうとがんばる人間と。
「怪物、がんばれー!」
と叫んだ研さんは、少年の中に自分を見たんでしょうね。
転んでも立ち上がってがんばる姿。
それは、人間を知ろうとラジオでがんばっている研さんの姿でもあって。
そして、少年はゴールして、ずっと見守っていた母親に抱きしめられる。
それはきっと研さんが夢見るゴール。
研さんはこのミッションを通して、自分の今やっていることは間違いじゃない
という思いを強く持ったのだと思います。
そして目の前で成功体験を見て、いつか自分も・・・と思ったでしょう。
いつか人間を知って、もっともっと強くなることができたら
津軽さんと包容できる日がくるかもしれない。
津軽さんを、あの少年のお母さんのように喜ばせることができるかもしれない。
人間は強くなれば怪物になれる。
じゃあ怪物も強くなれれば人間になれるんじゃないのかな。
そんな幸せな研さんの思いを全否定する食事会。
こんな優しいシーンの後でこんなシーンもってくるなんて、鬼!

十勝さんって本当に人間くさいですよね。
最初、天草を攻撃し始めた時も、アシスタントの気持ちを汲んで始めた感じだったし、
天草やフランケンシュタインが人気が出てきたと知るとあわて出したり。
コメンタリィでも言っていましたが、
この時十勝さんが言ったことは、私も正論だと思います。
ラジオは日常の中にあるべきで、そこから外れるべきではない。
でも、それがちゃんと響かないのは、
十勝さんが怒っている理由がそこじゃないからですよね。
十勝さんは天草さんとフランケンシュタインが嘘をついていると思っている。
フランシュタインに対する態度はある意味一貫していますよね。
初めて会ったときはちゃんとしていたんですよ。
フランケンシュタインの相談に対してひどいコメントをしたことを謝ったし。
人としてちゃんと対応しようとしてた。
でも、フランケンシュタインが過去の話を始めたとたんに、
ちゃんとした対応をやめた。
こいつら嘘つきやというレッテルを貼ってしまった。
そこからは心をシャットダウン。
彼らが何をしても、何を言っても、聞かない。
自分が知っている世界からはみ出すようなことを
一切受け入れないタイプの人として描かれていて、
見ていて本当にいらいらする。
でも、演じている山内さんが巧いこともあって、
こういう人、結構いるよなあと強く思う。
自分の知っている世界、自分が持っている価値観しか認めない人。
稲庭先輩とは違って、わかりやすく嫉妬を前面に出す十勝さん。
荒ぶる心のままにいいたいことを言って、人を攻撃します。
そしてその矛先は津軽さんにまで・・・。
「虚しい」というキーワードをここで効果的に使ってきました。
「最初から信じるに値しない」とこのドラマでは定義されている言葉。
せっかく成功体験を目の当たりにしてこの方法で間違いはなかったと思っていた矢先、
自分にも津軽さんと生きられる道はきっとあると確信できた矢先、
この言葉が十勝さんの口から非難を込めて発せられることで、
それをすべて虚しいと、信じるに価値がないと言われてしまった。
しかも、「お前等みんな」とまで。
つまりは「虚しい」は津軽さんにも向かっているということ。
ある意味生きることそのものに「虚しさ」を抱えている津軽さん。
でも津軽さんは強い心でその「虚しさ」を感じないようにつとめている。
その津軽さんをも全否定されたとき、
研さんの心は暴走してしまいます。
その手からは今まで見たこともないような黒い胞子。
あんなにがまんしようと思ったのに、
我慢できるようになると思っていたのに、
「ごめんなさい」
と泣きそうになりながら言う研さんが切ない。
冒頭にも書きましたが、この表情で一気に研さんに今まで以上に心をつかまれました。
ここでエンディング突入。
本当に「棒人間」の歌詞が染みました。

ネットでプロデューサーさんのインタビューを読んで
ちょっとだけ謎が解けました。
やっぱり綾野君と同世代の斉藤工さんを博士役にキャスティングしたのには
意味があったんですね。
ここからはもっと過去に何があったのかが描かれるそうです。
インタビューから見えてきた展開はとってもドラマチック!
6話のラストではひたすら悲しかったんだけど、
これからの展開は楽しみー。
稲庭先輩の立ち位置ももっと重要になってきそうだし、
ロマンチックに展開していきそうな感じ?
とにかくラジオネタは見ていてはらはらするし、つらいことが多いので
早く次に展開してほしいです。