フランケンシュタインの恋 第8話

残すところ後2話です。
今からフラ恋ロスが怖いです。
毎週日曜日の夜にリアルタイムで見て、
それから何回か見直しながら、ぼーっとドラマのこと考えて
金曜日の仕事が終わったらコメンタリィ聞いて、
週末に感想書いて、そしてまた日曜日に見て・・・
という、なんともフランケンに彩られた毎日が
あと2週間で終わってしまう・・・。
とにかくじんわりじんわりと染みてくるドラマで、
日常の合間合間にふとドラマのシーンや台詞を思い出して
ふんわりと作品の世界に浸っていました。
Twitterやインスタグラムで公式さんが発信する情報も
愛情あふれる楽しい内容だったな。
公式Twitterのやたらと長くて多いハッシュタグ、
おもしろくて好きでした。
なーんて、もう終わったみたいな感想ですね。
まだ2話残っていますもんね。
では、張り切って8話の感想を。

8話は最後の盛り上がりに向けて大きく物語が動いた回でしたね。
まずワル庭先輩の大告白。
前回の最後に「人間じゃないのは俺なんだよ」と言った稲庭先輩。
その言葉だけでもかなり破壊力があったのに、
その後、まさかこんなに大告白大会になるとは!
夜中に起き出して、殺菌剤を飲もうとした研さん。
不思議な菌の力で永遠の命を得ている研さんが
殺菌剤を飲むというのは自殺行為。
(まあ、普通の人間だって殺菌剤そのまま飲んだらただじゃすまないだろうけど)
でも研さんは自殺しようとしたわけではないんですよね。
あくまでも津軽さんと人間社会で生きていくために
自分の中の悪い菌を殺そうと思っただけで。
自分の意志の力で悪い菌の放出を押さえられなかった研さんが
手っ取り早く(というか藁にもすがる思いで)薬に頼ったんですね。
でも、稲庭先輩にとったらそれは研さんの自殺行為に見えてしまった。
研さんに自分を責めずに俺を憎めと言った先輩。
研さんをラジオに出したのは自分だから、と。
津軽さんの目を覚まさせたくて、
研さんの純粋な心を汚したくて、
研さんをラジオに売り込んだ、と。
確かにひどいんだけど、やっぱり稲庭先輩が悪い人には見えない。
だって本当にこれくらいの悪い心、誰だって持ってるもの。
言わないだけで、表に出さないだけで。
でも、稲庭先輩は研さんの心を救うために隠しておきたかった心をさらけ出した。
自分を殊更に悪者にして、研さんの重荷を軽くしようとした。
こんな話をしている最中に鳴る電話の空々しさ。
電話に出ようとしてこの場に出くわした社長のぽかんとした感じ、好きだったな。
対する天草側の場面は真っ白な部屋に白々とした蛍光灯の光。
この空間の対比がよかった。
ここからラジオサイドと稲庭工務店のシーンが巧く平行して描かれていくんですよね。
稲庭先輩の話を聞いている内に、表情がどんどん大人びていく研さん。
大人びていく・・・というのは違うか・・・。
稲庭先輩の言葉を受け止めて、考え込む表情になっていく。
ここで今回のキーワード「矛盾」が出ました。
稲庭先輩が人間はみんな持っているといった矛盾。
研さんは自分の心の中の矛盾を探し始めます。
でも一から新たに探したわけじゃない。
きっと研さんはずっと矛盾を感じていて、
でもそれを言葉に置き換えられなかったから
もやもやとしたものとして心に抱えていたんじゃないかな。
それを稲庭先輩から「矛盾」と言う言葉を教えてもらって
ああこれは「矛盾」というものだったんだと納得して
自分の中の「矛盾」を拾い集めていく。
手にしていた殺菌剤をもとに戻して、
「稲庭先輩は本当のことを話してくれました。
僕も本当のことを話します」
と稲庭先輩と津軽さんに告げます。
研さんは必死で自分の醜い面をさらけ出して話してくれた稲庭先輩を見て
自分が人間界で生きて行くには、
菌を殺す薬を飲むんじゃなくて、
自分をさらけ出して受け入れてもらおうとする勇気が必要なんだと思ったんじゃないのかな。
でも、稲庭先輩にはそれがまた神経を逆なでする。
あまりにも真っ直ぐで純粋な研さんの反応に、
またワル庭の心がむずむずしてくる。
翌朝、研さんは稲庭工務店のみんなに本当のことを話します。
ここはラジオ局とのカットバック。
どうしても説明台詞が多くなる場面で、
しかも怪物の正体は視聴者にはすでにわかっていること。
それを二つの場面を切り替えることでテンポよく説明も一気にすませられる巧い方法。
しかも稲庭工務店のメンバーとラジオ局、
同じことを聞いたときの反応も対比できますもんね。
研さんは自分の中にある菌の説明を津軽さんに求めます。
でも稲庭先輩が津軽さんの代わりに説明を始めてしまうんですね。
そして、そのまま自虐的に自分を追い込んでいく。
オンエア時にはなんでこの人はこんなに挑戦的な目をして
殊更に自分を悪く見せようとしているのか、
ワル庭先輩の告白と考えると冒頭からこの場面まで
あまりにも長すぎないか? と思ったのだけれど、
繰り返し見た時に納得できました。
稲庭先輩は怒って欲しかったんですね。
この後の社長が津軽さんに話した稲庭先輩の過去を聞いた後、
改めてこのシーンを見ると、切なさ倍増。
稲庭先輩は変に賢いからね、計算しすぎちゃうところがあるんだね。
それが全く裏目に出てしまったお母さんの死に際。
怒って欲しかったのに、この子が心配だから早く退院しなくちゃって
思って欲しかっただけなのに、
大好きなお母さんに謝らせて、
病気のお母さんに心配だけかけて、そのまま亡くならせてしまった。
その後悔が、懺悔の念が、稲庭先輩の心に大きな陰を落とした。
考え方とか発想とかってそう簡単に変わるものではないから、
稲庭先輩はことあるごとに自分が抱えているそのずるがしこい
決して人を幸せな気持ちにさせない思考や行動を嫌悪していたんじゃないかな。
2話で研さんに言った
「誰かと一緒に生きると言うことは人間の罰のようなものですから」
という言葉も、きっとこういう意識が言わせていたんだろうと思う。
だから人の気持ちを逆なでるような物言いで研さんに、みんなに食ってかかった。
今までの先輩の気持ちを思うと切なくて、
こんな風に暴発してしまう先輩が切なくて・・・。
でも研さんは怒らなかった。
人の本質をつかみ取るのがとてもうまい研さんだから、
稲庭先輩の辛さも、ひどい物言いの下に隠した本当の気持ちも、
ちゃんと感じ取ったのだと思う。
稲庭先輩は怒って欲しかったんだろうけど、
それは裏を返せば、研さんのように、
すべてを受け入れてその上で愛してくれる人を欲していたっていうことでもあるのだと思う。
この回はある意味稲庭回で、稲庭が大切に描かれているというのは、
この後のシーンで研さんをフォローするのではなく、
稲庭先輩と室園さんとのシーンを丁寧に描いたこと、
その後、稲庭先輩の過去を父親に語らせることで、
稲庭先輩の行動のバックボーンを伝えたことでもわかる。
室園さんはちゃんと稲庭先輩のだめな部分もわかった上で好きでいてくれる。
お父さんも、稲庭先輩のこと、ちゃんと見ていてくれる。
それが伝わるいいシーンでした。
そしてこの稲庭先輩の告白&暴発があったからこそ、
研さんは天草さんにラジオで釈明しませんか? って言われたときに
それほど迷わずに出演を決断したのだと思います。

今回の天草さんを見て、この人はある意味稲庭先輩とよく似た人なのかな
という気がしました。
稲庭先輩と対になる存在、という感じかな。
稲庭先輩のようにずるさや計算高い部分もちゃんと持っている。
その一方で、研さんに対する愛情もちゃんとあるというような。
前回の公開放送に研さんを出した時は、
完全に計算が勝っていたと思うんですよね。
研さんの性質をわかった上で、
しかも倒れた十勝さんの様子も見ていた上で、
公開生放送という非常に精神的に負荷のかかる場に出したのですから。
でも、今回は保身に走るラジオ局のメンバーとはちょっと違う様子。
ラジオ的にも自分たちが引っ張り出した研さんが起こした事件について
責任を持って事実を伝えなければならないという
ラジオのパーソナリティとして至極真っ当な考え方をしているし、
研さんに対しても、他のメディアで面白おかしく嘘八百交えて伝えられるなら
きちんと自分の口で説明する場を用意してあげようというような、
研さんのことを考えたとても理性的な方法を提案している。
前回の公開収録は絶対出すべきじゃないでしょ? と思ったけど、
今回の件は天草さんの言うことにも一理あると思うんですよね。
こういう問題って答えがあるわけではない。
終わってしまったあと、ああすればよかった、
こうしておいた方が上手くいった・・・ということはわかるけれど、
起こる前はなにが正解で、なにが間違いなのかわからないですよね。

・・・ということを何となく思ったのは、
今回は津軽さんがはっきりと止めにはいったから。
今まではこういう場面でいっつも、
津軽さん、なんで止めないの?
って思っていました。
研さんをラジオに出すことはどう考えてもデメリットの方が大きいと思ったから。
他の人は賛成しても、津軽さんだけは反対してよ、と思ってました。
今回、ようやく津軽さんがはっきりと引き留めたんですよね。
深志さんをラジオに出さないでって。
理屈はどうであれ、研さんを大勢の人の好奇の目にさらすことが耐えられなくて。
これ以上研さんを傷つけたくなくて。
深志さんが人間の世界で生きられないのなら
自分が深志さんと一緒に山に行くからって。
そこで二人で暮らしましょう・・・って。
でも、研さんはそんな津軽さんを見て、どこか悲しそうだった。
そうか、研さんはずっと津軽さんと人間の世界で生きていきたいと思ってたんだね。
決して津軽さんを人間の世界から引き離したかったわけではない。
津軽さんを独り占めしたかったわけでもない。
やっと積極的に動いた津軽さんにほっとしたものの、
ああ、ちがう、津軽さん、そうじゃなかったんだ・・・って残念に思った矢先、
研さんの記憶が一部蘇り、そして津軽さんは倒れた。
津軽さんの病気設定を知った時からこの時がくるのはわかっていて、
そろそろかなあ・・・とは思っていたんだけれど、
ついに来てしまいましたね。
さあ、物語もいよいよ大詰めです。

さっき正解はわからないのだからと書きましたが、
このドラマには唯一先が読めているような人物がいますよね。
研究室の鶴丸教授。
このドラマ、基本的にちゃんと人物が人間として描かれていて
役割優先で存在する人物ってあんまりいないんですけど
(毎回のゲスト的な脇の人物は除く)
唯一鶴丸教授だけは例外かなあって思っていて・・・。
この人、すごくよくわかっていますよね。
そんでもってこれからわかることを予言的に言うことも多い。
初回から「彼の心は人間そのものだ」って断言していましたし。
でも、ここまでもっと長い時間一緒にいて、もっと会話している津軽さんが
この人は人間なのか、怪物なのかわかりかねている段階で、
ほんの少し彼と話した教授が
「彼の心は人間そのものだ」
って言うのはなんか少し違和感があって、
でも、鶴丸教授は心を科学として研究している人だから・・・ってなんとなく納得して。
次は、津軽さんが集めてきた資料から
彼の心のありようによって放出する菌が変わるということを導き出す。
ほんまか? と言う気はするものの、まあ、研究者だからわかるのかなあ
と思っていたら本当にその通りだったし、
彼は頭がいい、ラジオの本質を見抜いている、
というのも、今回研さんが怪物と思われないためにわざと怪物の振りをしたと告白したので正解。
研さんが経験を積んで複雑な感情を理解するようになると
今までになかった菌が生成される・・・というのも
黒い胞子の放出で証明されました。
だんだん、なんでわかったの? と考えるのはやめて
教授が言うことは予言なんだ、教授はこの物語世界の解説者なんだと割り切って聞くようになったのですが、
今回は
「私は深志博士を尊敬している。。深志博士が彼の心を信じて彼を生み出したのだから、私は彼の心を信じる」
と予言しました。
あんた、深志博士のなにを知ってるねん! と一瞬思ったのは内緒です。
でも、教授がこう言った以上、深志博士は愛情を持って彼を生み出したということですね。
2話の回想で、そうかなあと匂わせてはいましたが、
彼の心を信じている、というのは、また大変な表現ですね。

でも、その表現決して大げさじゃないんじゃないか・・・
っていうのが8話のラスト&予告。
今回、かなり重い回だったと思うんですけど、
ラストと予告で、全部ぶっとんでしまうくらい衝撃でした。
研さんが本当の自分の名前思い出した!!
しかも、予告でちらっと映った研さんの生前の姿のかわいらしいこと!
元気いっぱいの純朴な青年。
おっとりとして子供っぽいピュアさをもった研さんとは
またひと味違ったピュアさ満載。
ああ、これなら深志博士も生き返らせたいと思うかも!!
という期待がめいっぱい膨らむ予告でした。
今まで本編で出てきた生前の姿って、
お地蔵さんの前でサキさんと手を合わせているカットと、
今回回想でちらっと入ったベッドに寝ている姿だったので
もっとおとなしい感じの人かと勝手に思っていました。
でも、写真に写った呼六さんはめっちゃ笑ってましたね。
ただね・・・、研さんが過去を思い出したということは、
自分が愛する人を殺してしまったっていうことも思い出す・・・
というか気がつくわけで・・・。
研さん、切ないな。
予告で、懸命にこの世で生きようとしている人に話したい
みたいなことを言っていたので、
研さんにとってラジオに出る意味は変わってしまったのかもしれないな。
天草さんに説得された時は、自分がこれから人間の世界で生きていくために
稲庭工務店でしたように今度はラジオのリスナーに向かって話そうとしたんだと思うんだけど、
津軽さんが倒れてしまった今、ラジオに出る理由は失われてしまった。
だって研さんは人間の社会にいたいわけじゃない。
津軽さんといるために、人間の世界にいたいんだもの。
そして、今、津軽さんは生死の境をさまよっていて、
自分は津軽さんの側にいることはできない。
だからこそ、ラジオを通じて津軽さんに語りかけるしかない
という理由になっていくんだろうな。
後2回かあ・・・心して見るぞ!


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