機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突ルウム会戦

「機動戦士GUMDAM オリジンⅤ」を見てきました。
公開初日に行ったので、ライブビューイングの舞台挨拶付き。
ガンダム舞台挨拶.JPG
この中の人たちを見てきました。
皆さんがあいさつ済んで舞台を降りられた後、司会者が
「フォトセッションです。今からカメラ出していいのでSNSで拡散してください」
と言われるので、なんのこっちゃ・・・って思ったら、
スクリーンにバン!とこれが出て笑ってしまった。
もう、ね、ティーンエイジャーだった自分に教えてあげたい。
大人になったらガンダムの新作映画(本当はオリジナルDVDだけど)が映画館で見られて
古谷さんと古川さんの舞台挨拶が見られるよって。
思えばガンダムが私のオタク人生の始まりだったなあ。
アムロが大好きで、古谷さんが大好きで、
一生懸命アニメ雑誌を読んで情報漁って。
でも映画のパートⅢをTVで放送したのを見てドはまりしたので
どんどん情報が少なくなっていく時期だったんですよね。
高校生くらいの時にZが放送されたんだけど
自分にとってのガンダムはどうしてもファーストガンダムだったのでなじめず
そのまま何となくアニメからもフェードアウトして。
あの頃はガンダムって今ほど市民権を得ていなくって、
というか当たり前なんだけど、とうに流行を過ぎた過去の作品でしかなかった。
もちろんいろいろ形を変えながら新シリーズは作り続けられていたし、
なぜかモビルスーツを3頭身にしたSDガンダムとか
ゲームとかは流行ったりしていたんだけど
今ほど確固としたジャンルにはなっていなかった。
いつからなんだろうなあ・・・こんな風に一つのジャンルとしてガンダムが語られるようになったのは・・・。
等身大のガンダムが作られて話題になったり、
ガンダムカフェができたり・・・。
絶対リアルタイムで知らんよね? という世代でも
モビルスーツという作中の造語が通じる時代がやってくるとは・・・。
かくいううちの息子どもも、もちろんリアル世代じゃありません。
うちにあったPS2のガンダムゲームではまってガンダムを知った世代。
映画館には次男と一緒に行ったんだけど
(Ⅳまで一緒に来ていた長男は彼女と一緒に見に行くと言って独立)
往年のオタクたちに混じって親子連れもちらほら。
ふふっ、うちとおんなじだ。
ただほぼお父さんと息子っていう組み合わせだけどね。
とにかく女性率は低いですねえ・・・。
私が見に行く映画でピカイチで低い。
大抵の映画は一人でも行けるんだけど、
ガンダムはちょっと独特の雰囲気があるので
次男にはもうちょっと一緒に行って欲しいなあ。

舞台挨拶は結構まじめな感じで進みました。
司会の方も「主役」の池田秀一さん中心に話を回しておられたのですが
あがっておられたのか池田秀一さんが一番話しにくそうにされていたのが意外でした。
素の声もあんまりシャアっぽくなくて、
だからこそそのギャップがなんかとても楽しかった。
古谷さんと仲良さげにやりとりされていたのもおもしろかったです。
古谷さんと古川さんは中学時代の私のアイドルのような存在だったので
30数年を経て、お二人が並んで舞台に立たれている様子を
スクリーンでとはいえ、こうやって見ることができるのが
本当に不思議で不思議で・・・。
お二人がほかの声優仲間と組まれて結成していたスラップスティックっていうバンド大好きでした。
こんな風にお二人を見られるなんていい時代になったなあと思います。
昔はライブビューイングなんてなかったもんね。
古谷さんも古川さんも役の台詞を披露してくださってサービス精神旺盛。
古谷さんがやたらと今回はわき役ですがぜひ主役を(つまり本編を)やりたい
って言ってました。
それは安彦さんも何度も話されていましたね。
今回お一人だけお顔を知らなかった銀河万丈さん。
字面は印象的なお名前なのでとてもよく見ている気がするんですけど。
銀河さんはとてもダンディで素敵な方でした。
お話される声もとても素敵。
ギレンは声を張って演説するシーンが多いのですが
あまり張らない声で穏やかにお話しされていると
低音がとても心地よく響くんですよね。
4人とも何度も、こんな風にみんな生き残って
ガンダムで初めて出会ってから38年後にまた一緒に舞台に立てたことが嬉しい、
というようなことをおっしゃっていました。
もちろん声優として第一線で38年間続けてこられたこともそうでしょうし、
ガンダムの他の声優さん、たくさん亡くなっていますからね・・・。
ナレーターの永井一郎さんを始め、セイラさんもブライトさんももう亡くなってしまいました。
それだけの時間が経ってしまったんですねえ。
安彦さんは、10年ほど前に一度講演会に行ったことがあるんです。
その時の印象があったので、ずいぶん時がたったんだなあと思いました。
あの時次男はまだ幼児だったんですよねえ・・・。
途中でちょっとぐずるわ、寝たと思ったら大きな寝息を立て始めるわ・・・で
かなり冷や冷やしながらお話を聞いたことを覚えています。
ほんと、申し訳なかった・・・。
でもその次男が10年後、とても楽しみにこうやって映画を見に来ているのですから
時間が経つってすごいなあと思います。
あの時は安彦さん、オリジンのマンガ連載が始まったばっかりだったくらいかな。
それがこんな風に映画になるなんて誰も思いもしなかった頃でした。
時間やいろいろな制約に追われて制作されたTVシリーズでの思い出を
いろいろと語ってくださいました。
今回続編である本編の制作を強く望まれているのも、
あの頃やり残したことがあるからなのかなあ・・・。

私はオリジンは全部劇場で見ているのですが、
正直、最初はちょっと冷めた気分もありました。
それはマンガを読んだ時もそうだったのですが、
どうしてもガンダムは富野さんの作品だという思いがあったものですから、
安彦さんが制作の大きな部分を担っていたとはいえ、
富野さん以外の人が書くものはいわゆる本編じゃないという気がしていたからです。
アニメのように大勢で作品を作るものの作者は誰という問題は難しいのだと思いますが、
なんとなく感覚的に富野さんの作品だと思っていて。
特に完全オリジナルであるシャアとセイラの過去については、
巧く作られた二次創作のような感じで見てしまっていました。
プロが作ったクオリティの高い二次創作。
でもⅢくらいから、そんなことどうでもいいくらい
作品としておもしろくなってきたんですよね。
特にⅣは圧倒的に武力に差があるのに戦争へと突き進んでいくそのメカニズムが
とてもリアルでした。
国が体制が大きく動いていく中で、人々がどう生き死んでいくかが
生き生きと描かれていた。
Ⅳを見ているときは、大河ドラマを見ているみたいだなあと思っていました。
観客は(特にこの映画を見に来ている客は)Ⅰ年戦争の出来事が頭に入っているわけです。
大河ドラマで歴史という動かせない点があるのと同じように、
ガンダムの世界の中でも動かせない歴史があって、
でもそこに至るまでのドラマはいかようにも作れる。
人気作品の器を借りてマニア向けに作ったというよりは、
表にでている事実に至るまでのドラマをオリジナルで作り出した、
そういうところまで持ち上げるクオリティで作られていました。
それが今回の「Ⅴ」ではより明確になっていた。
描かれている年代がいよいよ宇宙世紀0079に入り、
各キャラクターが私たちの知っている姿に近づき、
私たちが知っているシーンに直結するような場面も増えてきました。
だからこそ切なさが倍増するシーンもたくさん・・・。
例えば、ザビ家で数少ない人間らしい感情を持つドズルは
コロニーの中の人間を皆殺しにして、
それをそのまま地球に落とすという作戦の恐ろしさに気づいています。
作戦の実行を拒否したランバ・ラルに怒り狂うのは
ランバ・ラルの言葉に正当性を感じているからです。
それでも「一つのコロニーの犠牲によって戦争を早く終わらせることができれば
もっと多くの人間の命を救うことができる」という方便を信じて実行する。
けれども作戦は失敗し、最終的には全人類の人口の半分を殺してなお
戦争は終わらない。
我が子、ミネバを得たばかりの彼は、
ミネバの寝顔を見ながら号泣します。
「たった一人のミネバでこれほどかわいいのに、
俺は何億ものミネバを殺した」と。
けれども、その悲しみを
「やつらは弱かったからミネバを守れなかったのだ。
自分は強くなってミネバを守ってみせる」
という理論に転換してしまう。
そしてその理論に邁進したドズルは、戦争継続に難色を示す幹部を
「ここでやめたらお前たちも地球連邦軍に責任を追及されるだろう」と脅しつけ、
勝てる見込みの少ない戦争にますますのめり込んでいく。
人間くさいからこそ陥っていく闇。
彼の最後を知っているからこそ、彼の選択が切なく悲しい。
ギレンの血も涙もない作戦を、ドズルの錯誤した情熱が支えて
ジオンの狂気の戦争が続いていく。
戦争が起きるメカニズムをまざまざ見ているかのようでした。

一方市井の人たちは、戦争が始まった、大変だ!といいながらも
普通の日常を続けている。
今回ちょぴっとあったアムロやカイの場面もそんな感じ。
戦争が始まったと言いながらも彼らの日常は続いていて、
立ち入り禁止区域に探検に行き、こっぴどく叱られる。
そして、今回急に出てきたユウキとファン・リーという
TVシリーズ第1回のアムロとフラウ・ボウを思わせる少年少女。
彼らは第1回のアムロとフラウと同じように敵の攻撃を逃れるために
シェルターに避難します。
ここでユウキとファン・リーのやりとりが丁寧に丁寧に描かれます。
アムロとフラウ・ボウよりもずっと親密に描かれた二人。
でも彼らが住んでいるのはコロニー落としの標的にされたコロニーで
シェルターに避難しようがどこに逃れようが助からないと言うことを
観客は知っている。
彼らにも日常があって、生活があって、思いがあって、
でも、戦争という圧倒的に大きな力で踏みつぶされる。
「他人事」から「当事者」への変換はいとも簡単。
指導者の思いつき一つ・・・。
ユウキとファン・リーの描き方は
本編で主人公のアムロもまたこういう市井の人間の一人だったという事実を
より強く印象づけてくれます。
そして、現実でも戦争が起こるというのは、こういうことなのだろうなあと思います。

思えばガンダムってもともと、ロボットアニメに戦争を持ち込んだっていうことが
大きな特徴の一つでした。
主人公が正義なのではなく、主人公が属する組織もまた正義ではない。
もちろん相手方も。
戦争に大義はあっても正義なんてないのですから。
ガンダムはそれを丁寧に描いたことが画期的だとされたアニメでした。
富野さんはいくつものガンダムの続編を作っていますが、
ガンダムのそういうある意味リアルな部分よりも、
戦うことの中でいきる意味を見つけていく少年、
人とのコミュニケーションのありかた、
他者と自分の関係・・・というような観念的な部分を
どんどん膨らませて行ったような気がします。
ものすごく感覚的な感想ですが・・・。
でも、安彦さんは戦争そのもの、そこに醜くうごめく人間のエゴのようなものを
より事細かに詰めていったような気がします。
それが人間ドラマとしてとても面白いものになっている。
もともとあまりにもオリジナルのガンダムが好きすぎるので
いくら安彦さんとはいえ、
いくら今の技術で映像が比べものにならないくらいきれいになるとは言え、
本編を焼き直ししないで欲しいなあ・・・。
いくら随所に拙い部分が見えるとは言っても
私にとってのガンダムは昔のガンダムだなあ・・・って思っていたのですが
「Ⅴ」を見て、これは是非本編も作って欲しいと思いました。

安彦さんはアニメーターだけど、
宮崎さんほど完璧を求めないタイプの監督さんみたいです。
ご本人もマンガが描けなくなっても
この作品のスタッフは優秀な人がそろっていますから
アニメは作れますって言ってました。
それならば、作って欲しいなあ。
そんでもって、やっぱりCGを駆使したメカの表現はすごいです。
このクオリティでもって、ア・バウア・クー戦とか見てみたい。
とりあえずはⅥは来年5月に公開だそうで、
そこまでは確実に見られる見たいです。
今のテンションを忘れないようにして、絶対見るぞ!!

そう言えば舞台挨拶の最後はギレンの
「ジーク・ジオン」
をみんなで言って終わったんですよね。
生で(といってもライブビューイングだけど)でギレンの演説が聞けて
上映前にかなりテンションがあがりました。
銀河さんありがとうございました!



posted by HaHa at 02:22Comment(0)映画