チェイス

「チェイス」を見ました。

「ハゲタカ」の脱税版みたいなドラマかなあと思っていたら、

すぐに脱税スキーム云々よりも村雲と春馬の物語になってしまって、

知らない世界を知るといった面白さは減ってしまって残念。

その分村雲の過去が明らかになるなど違う面白さが出てきて、

それなりに最後まで引きつけられましたけどね。

春馬と家族の関係が中途半端な描き方だったかなあ。

娘が村雲に誘われて株に手を出して失敗・・・っていうくだり・・・

うまくストーリーと絡んでいないような気がするのは気のせい?

あえて言えば、娘との関係を描いているときに上司の収賄事件が同時進行で描かれていたのと、

村雲と母親の関係との対比と考えると、

父親の家族に対する思いを描いておきたかったのかなあ・・・と思うくらい。

片や親らしい愛情表現をなかなか示すことができなくて娘と気持ちを通いあわせることができない父親と、

全存在をかけて母親を慕うも母に捨てられてしまった息子と。

最終回で「俺たちは『泣いた赤鬼』の赤鬼だ」というのも、

この辺を踏まえてのことなのかなあ。

でもこの例え、ちょっとピンと来なかったんですよね。

あんまりうまく物語とシンクロしてないんちゃうんかな・・・。

ただ上司のエピソードは切なかったな。

一人で壁当てをしていた跡も・・・。

親と子がお金でつながるという構図は村雲と母との関係につながるものはあるのかも。

一方春馬のほうはお金のせいで親子が断絶しかけていたけれど、

お金を失うことによって再び心の交流が戻った。

しかしそれにしても最終回は盛りだくさん。

途中はすごく・・・だれました[E:coldsweats01]

地下室での対話から村雲の車炎上までのシーン。

あまりにもありえへんやろ・・・。

大がかりなだけにご都合主義なストーリー展開が目についてちょっとげんなり。

今まで積み上げてきたことが一気にここで崩れて駄作ドラマに成り下がるのか・・・

と心配しましたが、

村雲の切なさで何とか乗り切った感じですね。

どこまでも母の愛を追い求める村雲の姿は切なかったです。

あんな思いまでして手に入れたお金を、

母親名義の銀行口座に入れていたなんて。

もしも母親が村雲の思いを受け止めていたら、

莫大な遺産は全て彼女のものになっていたんですね。

あのバラの木彫りにパスワードを込めたのは、

村雲なりの最後の母親の愛情確認だったのでしょう。

一方、その息子を「捨てる」ことで手に入れたお金で新たな家族を持った母親は、

決して「捨てた」息子を振り返らない。

そのある種の潔さになんとなく女の業を感じてしまった・・・。

今同じ脚本家さんの作品で「Mother」が放送されていて、

いろいろなタイプの母性が描かれていますが、

こういう形の母性もあるのかもしれないと思いました。

母性と言えば歌織の存在意義がもう一つ分からなかったのですが

(相続税の脱税スキームに必要という以外で)

母性というキーワードから考えると分かるような気がしてきました。

村雲が子供が生まれるまではあれほど自分の子供かどうかっていことに拘っていたのに

そして生まれてから自分の子供だと告げられた時はあれだけ喜んでいたのに、

どうしてスキームが終了してしまうと一気にひかるくんに近づかなくなったのか不思議だったんですけど、

きっとひかるくんは村雲の「もしかしたらあったかもしれない未来」だったからなんですね。

お金を得るために利用されるだけの命という点で村雲とひかるは同じ。

けれどの村雲は利用されたあげくに見捨てられて片腕を失ったのに、

ひかるは母親に全面的に守られようとしている。

そう、歌織は計画段階ではお腹の命をスキームの手段としてしか認識していなかったかもしれませんが、

お腹が大きくなり、実際に子供を産むと、

どんどん母親としての母性を目覚めさせていきます。

ひかるが受け継いだ遺産を目当てに群がってくる大人の輪に入れることすら嫌がるくらいに。

どんどん母親として子供を守り始める歌織を見て、

村雲はひかるに自分が求めても得られなかった「あったかもしれない未来」を見たのでしょう。

彼の「母親にほめられたい」という唯一無二の行動基準が、

少しずつ揺らいでいたのかもしれません。

だからこそ、最後の最後にバラの木彫りの中にパスワードを隠した・・・

もっと分かりやすいかたちで母親に伝えることはせずに・・・

と考えるのはうがちすぎですかね。

結局、最後の最後に村雲に深い共感を示した春馬のもとに大金は渡り・・・。

このことで春馬が出世できるかどうかは分かりませんが

(容疑者を確保しながら死なせてしまったのは落ち度ですもんね)

とりあえず、最終的に春馬のもとにお金がわたったということは、

村雲にとって本望だったろうな。

少なくても視聴者にとっては母親にお金がわたるよりもずっとすっきりくるラストでした。

最後にエンディングテーマが流れずにぷっつりと「死亡」というナレーションで終わったラストもよかったです。

それにしてもARATAさんよかったなあ。

無機質な感じが後半にいくにしたがって切なさを帯びてくる。

基一役の斎藤工さんもなんとなく印象に残っています。

今時のチャラチャラした若者、

自分のことしか考えられない自己中心的なおぼっちゃん。

でもどこか素直さと透明感を感じさせる佇まいが好きでした。

他にも出てくる役者さんがみんな存在感たっぷりでした。

坂本裕二さんの脚本は時にはちょっと「ん?」と首をかしげてしまうような描写やエピソードがあったり、

ご都合主義的なストーリー展開がちらちらと見え隠れしていましたが、

「こういう話が書きたい」という1本筋が通ったものが終始感じられて、

力業でぐいぐい最終回まで見させられたという気がします。

「母への無償の無限の愛」という隠れたテーマは、

母親からの愛を描く「Mother」と対をなしていたんだと気がついて面白かったです。

センセイの鞄

ここのところ、夕飯を食べ終えるとソファでウツラウツラ[E:sleepy]

ドラマを見ていたはずがいつしか見も知らぬ深夜放送に…[E:shock]

という日々なので、キムタクの「月の恋人」は見ていません。

というか、出だしは見てるんだけど最後まで見たためしがない・・・。

そんなわけで感想も書けません。

どうしても見たい「龍馬伝」だの「Mother」だの「チェイス」だのは

きちとビデオでバックアップをとって見ていますから大丈夫。

(っていうか楽しみにしているドラマでさえ寝てしまう私って・・・[E:coldsweats01])



そんなわけで今回は読んだ本の感想。

このところ読んでいた本が「上杉謙信のすべて」だの「戦国北条一族」だの

歴史物、しかも小説というわけではないのでえらく堅い・・・というような本ばかり読んでいたので、

時々女性的な柔らかい文章が読みたくなります。

通信販売で買っている化粧品会社から毎月送られてくるカタログを兼ねた雑誌があるのですが、

そこで連載されているエッセイがすごく好きなんです。

エッセイって書く人の人柄がすごく出ますよね。、

感性の鋭さと、大人としての適度なバランス感覚が、

抑制の効いた柔らかな文体でかかれていて、

このエッセイを読むと何でもない日々がちょっと価値のあるものに思えてきます。

内容は片付けられない話だの、はやりの洋服が買えないだの、

そういうたわいもないものなのですが・・・。

戦国でやれ討ち取っただの、領国がどうだの・・・という血なまぐさい世界から、

日常の生活感覚の中に浸りたくなって、

図書館でその作者のエッセイを探しました。

小さな図書館なので残念ながらお目当てのエッセイはなかったのですが、

小説は何冊かありました。

そこで適当な小説を物色。

選んだのは「夜の公園」

好きな文体ではあるものの、内容的にはいまいちピンとこず・・・。

それでも文体が心地よくて一気に読み流す。

そのまま、またまた戦国の世界へ。

今度は「上越市史」に挑戦。

とはいえもちろんこんな本近所の図書館にあるはずもなく、

仕方なく休日の半日を使って府立図書館へ。

ここであったものの、館外持ち出し禁止なので、

必要箇所(景虎が越後に行ったあたりから御館の乱頃まで)に関する部分だけをコピー。

1時間ちょっとかかりました[E:coldsweats01]

家に帰ってぼちぼち読むものの、

漢和辞典片手じゃないと無理~。

1通の書簡を読むだけにどんだけ時間かかんねん!

というわけでまたまた気分転換をしたくなって図書館へ。

同じ作者の「センセイの鞄」を借りてきました。

息抜きに毎日少しずつトツトツと読むのにちょうどいい構成。

読みたかったエッセイの感じに近くて、

こりゃあいいや、と読み進めていくと、

あれ? これって恋愛小説だったの?

という思いがけない展開に。

そこからは面白くてぐいぐい引き込まれ、

一気に読み進めてしまいました。

後でウィキペディアで調べるとこの小説かなりベストセラーになったのですね。

しかもドラマ化までされていて、

それでキョンキョンが賞までとっていたなんて!

いやあ、ものを知らないって恐ろしいですね[E:coldsweats01]

今まで全く気にしてなかったけど、

この川上弘美さんって売れっ子作家さんだったんだ・・・。

主人公は私と同世代。

だけど、センセイに対する想いに気付いてからの彼女は、

二十歳そこそこの娘さんよりも行動が幼くて、

恋をするときの気持ちってきっといくつになっても一緒なんだって思わせてくれます。

センセイは最初どう考えても恋愛対象とは思えないのですが、

主人公のフィルターを通して見続けているうちに

あれ、この人素敵かも・・・

っていう気分になってくるから不思議です。

ちょっと「○○さんはいい子です」と頭をなぜてもらいたいかも。

恋愛ものは苦手な私ですが、

人が人に恋する心の課程をきちんと丁寧に描いた作品は好きです。

小説でも映画でもドラマでも。

知り合って、言葉を交わして、一緒に同じ時間を過ごすことを重ねるうちに

心が少しずつ動いていくのはすごくドラマチックなことだと思うから。

人に恋する感覚を追体験させてくれる幸せな小説でした。

・・・という感じで、この本がはやっていた当時も絶賛されていたんでしょうかね?[E:coldsweats01]

posted by HaHa at 13:23Comment(0)

2010年春ドラマといろいろ

最近気温の変動が激しいのと、
ゴールデンウィーク疲れでなんとなくばて気味。
いろんなドラマを見て、いろんな感想があるんだけど、
覚えているものだけでもとりあえずメモ書き程度に。



「新参者」
1話完結ではない刑事物。
でも毎回怪しい人物が出てきて、
その人たちの日常をあぶり出し、
最終的にはその人たちは犯人ではなかった・・・
とまとめているので、
ある意味、1話ごとに話がちゃんとまとまっています。
そして、容疑者の人柄が分かるにつれてその人たちに肩入れし、
最後にその人たちは犯人じゃなかった・・・ってわかる時の爽快感。
事件解決以外でこういうカタルシスの枠組みを作っているところが目新しくて面白い。
このクールはパート2のものも含めて、
いろいろなタイプの刑事ドラマがいっぱい作られていますが、
一番目新しくて、かつ、見ていて安心できる作品でした。
阿部ちゃんがはまってます。
TBSも「JIN」の後すぐにこういうドラマを作ればよかったのに。


「同窓会」
うーん。
井上由美子さんが脚本と言うことで期待して見たのですが、
恋愛ものは本当にニガテ・・・[E:despair]
しかもこの手のドラマで主婦が登場すると、
どうして不満いっぱいって感じで描かれてしまうんでしょうか。
恋って必ずしも日常に不満があるからその現実逃避
・・・で始まる訳じゃないとおもうんだけどなあ。
ついでに主人公が惹かれる高橋克典さんにまっったく魅力を感じられなかったのも脱落の原
因。
残念!

「タンブリング」
役者さんたちが本気でタンブリングしているところが見事!!
でも、1回目で脱落[E:coldsweats01]



「ヤンキー君とメガネちゃん」
成宮くんってまだまだ高校生いけるやん[E:heart01]
仲 里依紗ちゃんもかわいい!
でもやっぱり1回目で脱落。

ヤンキーものはあんまり好きじゃないんだ・・・[E:sweat01]
それから「龍馬伝」
先週の回・・・第何回になるんだろう。
とにかくタイトルに笑ってしまった。
曰く「海軍をつくろう!」
なんてストレートな・・・。
でも内容はみっちり濃く、面白かったです。
一番面白かったのやっぱり以蔵のくだり。
今までもう一つ面白くないのに
勝海舟が地球儀を出してきて
日本の小ささを説明するシーンを繰り返しているなあ・・・って思っていたら、
そうですか、ここに活かすためでしたか!
いままで空振りに終わっていた勝海舟先生の力説に、
ころりと説得されてしまう以蔵、かわいいです。
龍馬と勝海舟が海軍について熱く議論を交わしている時に、
まるで別世界の話を聞くようにあっけにとられながら
でもぐいぐい心惹かれている様子。
以蔵を佐藤健くんが演じるって聞いて、
ものすごく違和感があったのですが、
(だって以蔵は龍馬や武市と同年代なのに、
佐藤君は明らかに福山さんや大森さんより二世代近くも下)
ここに来てまさにはまってきました。
設定としてはちゃんと龍馬と同世代なのでしょうが、
佐藤君の持つ若さがピュアな感じを付加して、
以蔵を粗野で無知な人物から、
武市半平太に盲目的に心酔する無垢で純真な男に変えました。
彼の無垢な無知さは宮沢賢治の童話に出てくる
「オツベルと象」の象のような哀しさがあります。
以蔵に佐藤君を抜擢した人、
そして彼の資質を活かしてこのような人物造形をした脚本家の福田さんGood job![E:good]




そして最終回を迎えた「八日目の蝉」
子供が赤ちゃんから幼児になってから、
自分の中でちょっとトーンダウン・・・。
でも、最後まで面白く見ました。
私は親子というのは血のつながりよりも、
一緒に過ごす時間が作る関係だって思っているものですから、
主人公が子供と過ごす夢のような時間を素直に一緒に楽しみ、
そしてその時間がやがて終わってしまうことを主人公と一緒に恐れていました。
でも、この物語は「Mother」とは違って、
実の母親に何の落ち度もないまま、
主人公が勝手に子供を連れ去ってしまっています。
主人公が夢のような時間を過ごしている分、
本当の母親が過ごすはずだった我が子との大切な時間を理不尽に奪われてしまっているわけです。
そして、その空白の時間は、
その後の親子関係に深く暗い影を落とします。
その影の部分の比重をもう少し大きくして描けていたら、
もう少し違った深みを持てたかなあ・・・という気がします。
原作も読んで見たい作品でした。


それから今回ははまってしまった朝ドラ「ゲゲゲの女房」
毎朝これを見てから仕事に行っています。
このドラマ見たさに土曜に朝寝坊しなくなりました。
一日の始まりに見るのにぴったりのさわやかな軽いドラマ。
結婚式あたりから見始めたのですが、
新しい生活を手探りで始める様子を見ていると、
自分が結婚したての時を何となく思い出したりして・・・。
このドラマ、最近の朝ドラとちょっとテイストが違うなあ、
何となく落ち着いて見られるなあ・・・
と思って何でだろうって考えたら、
ヒロインがちょっと変わってるんですよね。
時代背景もあるだろうけど。
最近の朝ドラって、とにかくヒロインが元気でパワーがあって、
いろんな困難を一人で引き受けて行くパターンが多かった気がするんですよね。
いろんな物事が驚くほどヒロイン中心に回って行くっていうか・・・。
でもこのドラマ、ヒロインはひたすら受け身で、
あたふたとして、まいっかあ・・・と開き直っている間にゆるゆると物語が進む。
物語を前に進めていくのはどちらかというと個性的な脇役たち。
私が、私が・・・と前に出て行くヒロインじゃないところがなんとなく心地いいんです。
向井君との夫婦関係もなんだか微笑ましい。
早く「墓場鬼太郎」がヒットして生活が安定して欲しいです。










そんでもって「素直になれなくて」

もはや頭を真っ白にして玉が出ている部分だけ玉の姿を楽しむ、
プロモーションビデオのような見方をしています。
これは玉が出ているので脱落もできず・・・
あ、上野樹里ちゃんもとにかくかわいいです。
こんなかわいい恋する樹里ちゃんを、
こんなドラマで見なければならないのが残念。
役者の無駄遣いだなあ・・・



深夜の再放送で一気見した「外事警察」
「ハゲタカ」のスタッフが作ったドラマということと、
あちこちで非常に評判がよかったので気になっていたのに、
本放送当時1回目を見逃してそのまま見ないままに・・・。
ようやく見られたけど・・・とにかく難しかった。
「ハゲタカ」よりもずっと難しく感じました。
2話目くらいから面白くなってきたんだけど、
それでもストーリーについて行くのが精一杯。
最終的な感想としては・・・私は渡部篤郎さんってニガテ。
たぶん生理的に嫌いなタイプなんだわ・・・。
住本が彼じゃなかったらもっと肩入れしながら見られたかも。
尾野真千子さんは素敵でした。


「チェイス」
こちらは現在放送中の土曜ドラマ。
私にはこっちのほうが「外事警察」よりずっとすっきりして見やすいです。
坂元裕二さんは今クールはこれと「Mother」を執筆されています。
どちらも社会派の力作。
国税調査官という職業に馴染みがないうえに、
出てくる用語が「パーマネントトラベラー」や「レバレッジドリース」など
これまたあんまり聞いたことがない言葉のオンパレード。
でも物語の中できちんと理解できる程度には説明されるし、
知らない世界をのぞき見しているようで面白い。
なんと言っても敵役である村雲という人物が魅力的。
脱税という違法行為をいかに正当行為に見せかけるか、
その攻防とともに見え隠れする人間ドラマ。
最終的にどういうところに落としどころを持ってくるのかも楽しみです。