セトウツミ(ドラマ)

これは前のクールのドラマになるんだけど、
未だに強烈な印象が残っているのでちょっとだけ感想を。
もともと映画になったときに、男子高校生が川縁で延々しゃべっているだけの映画
というふれこみに、面白そうだなあって思っていました。
役者さんも菅田くんと池松くんだったし、監督も大森立嗣さんだったし。
でも結局、気になりながらも映画館には行けてなかったんだけど、
ドラマになるって知って、
とりあえず高校生の男の子二人が延々と話すだけ・・・の物語が
どういう感じかっていうことだけでもわかるかなあ・・・と思って見始めました。
そしたら、青春ものとして、こういう切り取り方があったのか! という
目からうろこ的な面白さ。
お勉強ができるタイプの内海とスポーツが得意な瀬戸。
本来なら気が合わなさそうなのに、
教室でだったら絶対話さない感じなのに
(実際彼らは学校では親しくしている様子はない)
学校を離れた土手の階段では大親友のように話がつきない。
いや、お互い話題がなくて黙っている時間さえも
なんだか居心地が良さそう。
瀬戸は先輩と喧嘩してサッカー部を退部してしまい、
有望選手として期待してくれた周りからの信頼を失った傷をもち、
内海は複雑な家庭環境の中孤立し、学校に気を許せる友人もいない。
お互いに人に言えずに抱えた傷が
どこか似た匂いを持つ人間を求めたのかもしれない。
知識レベルも違うし、関心を持っていることも重なっているとは思えないし、
家庭環境も、おそらく望んでいる進路の方向も違うのに、
他愛もない話題で延々と話し続ける面白さ。
関西弁が実にいい味を出していて、それが面白さにつながっているんだけれど、
お笑いのような作り込まれたネタではなく、
オチが周到に用意されているわけでもない。
関西人なのでちゃんとオチがある場合も多いのだけれど、
面白さを求めたオチではなく、関西人の二人が生理的に求める話のオチ
という程度にまとめられている。
二人の会話の面白さは二人が持っている「差異」
先ほど書いた学力の差や家庭環境の差やそうしたものに由来する発想や思考の差から生まれているんだけど、
それが一方的なボケと突っ込みになっていないんですよね。
あまりにものを知らない瀬戸が世間知らずぽい発言をどうどうと繰り出すと(でもそれがかわいい)
瀬戸がすかさず
「それは○○やん」
と突っ込む。
逆に、あまりに特異な発想で話す内海に対して、
瀬戸が普通の感覚で
「それ、変やで」
と突っ込む。
二人が持っている突出している部分を、お互いが突っ込むことによって
受け入れやすいラインを保っている感じ。
何より聞いていていやな感じを受けないのは、
お互いにお互いをちゃんとリスペクトしている感じが伝わってくるところ。
もちろん瀬戸は内海の賢さや知識量をリスペクトしているんだけど、
内海の方も決して瀬戸をバカにして見下したりなんかしない。
瀬戸のもつ天衣無縫のかわいげや発想の豊かさや時には無鉄砲に思える行動力を
愛しているんだろうなあ・・・っていう感じが伝わってくる。
お互いが自分にない相手の長所を大切に思っているのがわかるからこそ
二人の会話は聞いていて楽しいし心地良い。

二人の二人だけの会話の話も楽しかったんだけど、
特に好きだったのは学校の友人とも言えない友人、田中や馬場くんが混じる会。
瀬戸と内海はなんだかんだ言ってもスクールカーストの上にいる人たちなんだと思うんです。
運動ができる瀬戸と勉強ができる内海。
本人たちが意識していてもしていなくても一目置かれる存在。
一方馬場や田中はきっとスクールカーストの下の方。
馬場は周りが見えていないタイプなので気にもしていないと思うけど、
田中の方は完全にそのことを意識している。
教室では瀬戸にも内海にも話しかけられたことはない。
けれどもあの土手に行けば、そんな田中が瀬戸と内海の審判という役割になれる。
あの土手ではカーストの壁を軽々と乗り越えることができる。
それは、学校の教室という場では決して交わることがない瀬戸と内海が
あの土手では仲良く話せるということと同じ。
学校という共通項しかないものたちが
その学校から離れた場所でだけ友人でいられるというファンタジー。
ただ、学校での立ち位置が完全にリセットされて
全くのフラットな関係でいるかというとそうでもなくて・・・。
田中ははっきりと、目立たない自分があの瀬戸と内海の審判をやっている
ということについて大きな感動を覚えている。
それを母親宛の手紙に認めているのがなんともお茶目。
この田中の高揚感みたいな感じがとてもおかしくて切なくて
そして懐かしい感じがしたんですよね。
この感じって最近感じていないけど、確かにあったよなあって。
一時期スクールカーストという言葉がやたらとはやっていて、
私の感覚では映画「桐島、学校やめるってよ」くらいから盛んに言われ始めたような気がするんだけど、
その後やたらとドラマで描かれた極端すぎる階級社会はなんかなじめなかった。
一軍とか二軍とかそういうはっきりした区別があったり
一軍の言うことは絶対服従・・・みたいなのはなんか違うなあと思ってたんだけど、
このドラマの感じはリアルに感じてたものに近いなあと思いました。
「桐島・・・」を見た時の感じにも近いなあ。
たわいもない高校生のおしゃべりが、
その内容に関わらず(もちろん内容は面白いのだけれど)たまらなく愛おしいのは
このリアルな感覚がしっかり描かれているからなんだろうなあ。
教室や学校の校舎の中では成立しないグループや階層を越えたつきあいは、
瀬戸の部活復帰によって失われてしまう。
けれどもここで培われた友情は、
こじれてしまっていた内海の親子関係に一石を投じる。
もちろん単純にオールクリアになったわけではないけれども、
変わらないと思っていたものを少しでも動かすことができた。
最終回のその爽快感は良質の青春小説を読んだ後の感じに似ていました。
男子高校生二人がだらだらと放課後しゃべっているだけという変化球ドラマが
最後には青春ドラマのドストライクに収まったその見事さ。
最終回、瀬戸が来なくなっても、塾まで土手で時間をつぶす内海が
なんとなく瀬戸を待っている風情なのが切なかった。
そして練習を終えた瀬戸が土手に行っても、もう内海はいない。
二人の特別な時間は失われてしまったのだ。
けれども、現代の利器の素晴らしさで、
二人はLINEでやりとりをしているよう。
同じ空間にいなくても、土手じゃなくても
一度つながった関係は続くということなんだろう。
文字になっても変わらない二人のやりとりに笑いながらも、
二人が楽しげにやりとりしている姿を思い出して、
一つの時代が終わってしまったことを感じずにはいられないのだけれど。

このドラマのオープニング、とても好きでした。
曲もだけれど、映像もとっても躍動感があって。
絵の作り方が、ちょっとアニメっぽいなって思いました。
ポップなアニメのオープニングっぽい。
エンディングも毎回面白くて、
miwaの歌にあわせて毎回内容に沿った映像が用意されていたんですよね。
瀬戸と内海の中の人が入れ替わっていて、二人の役が逆だったらこんな感じみたいな時もあったし、
田中の回では延々田中のお母ちゃんが映っていたり・・・。
今回はどんなエンディングだろうって楽しみにしていました。

ウツミ役の高杉真宙くんはこのドラマで始めて知りました・・・
と思ってググってみたら、結構出ている作品見てました。
でも、どの作品もどこに出ていたのか思い出せない・・・。
きれいな顔立ちなので、かえって印象に残らなかったのかなあ。
一方瀬戸役の葉山くんは「フランケンシュタインの恋」から注目していて
「僕たちがやりました」でもサイテーな役を生き生きと演じていたので
あ、また出てる! と思って見始めたんですけど、
瀬戸のかわいらしさにドはまりしました。
バカなんだけど憎めない、どこかスケールがでっかいところもあるのに
言うことはやっぱりバカで幼くて・・・という瀬戸にびたっとはまっていました。
つんつん頭も似合ってた!
ドラマを見ているときに、WOWOWで映画版が放送されて見てみたんだけれど
ドラマ版が好きすぎて映画版がピンときませんでした。
映画版は、当たり前なんだけど、映画の間なんですよね。
テレビ版よりもゆっくりしている。
会話と会話の間もゆったりとってある。
二人の表情も押さえ気味。
多分こちらを先に知っていたらなんの違和感もなく受け入れていたんだろうと思うんだけど、
テレビ版の会話のリズムが馴染んでしまっていたので違和感を感じてしまいました。
テレビ版はもっと会話のテンポがはやい。
表情も豊か(特に瀬戸が)
お笑いのネタを見ている気分でやりとりを聞いてしまう。
会話だけでなく心の声の入れ方も絶妙なんですよね。
ほぼ心の声だけで成立している話もあったりして。
このドラマは久々に深夜ドラマの面白さを強烈に感じたドラマでした。




久々の情報

いよいよ情報が解禁されましたね!
待ちに待った映画。しかも石井岳龍監督の時代もの!
脚本がクドカン!
石井監督が去年の夏、京都で時代ものを撮るということは知っていて
エキストラにも登録していたんですよね。
でも募集されている年齢や性別(男性が多かった)が合わなかったり
行けそうな条件の日でも、日の出から日没までっていう時間指定に
日の出って始発でも間にあわへんのちゃうん?
ってビビったりして申し込みしなかったんですよね。
その段階で誰が出演かは一切明かされていませんでしたから。
知ってたら応募してたよお(´;ω;`)ウゥゥ
日の出から日没までがんばったよお・・・(´;ω;`)ウゥゥ
まあ年齢でひっかかってはじかれていた可能性大なんですけど。
とにかくエキストラ募集の文面が熱かったのが印象に残っています。
もしかしたらこれ綾野くん出るんちがうん?
って思ったから登録したんだけど
内容がとにかく時代劇なのにちょっと雰囲気が違う感じだったし
何よりそんなおいしい話あるわけないやん!
と思ってたんだよね。くやしいーーー。
京都で綾野君が出演する作品にエキストラで参加できるなんて
こんなチャンス、滅多になかったのに・・・。
その後、綾野くんの新作の情報はなく、
石井監督の新作の情報もなく、
あれはどうなったのかなあと心の隅にひっかかってたとはいえ、
綾野君とは関係なかったんだろうなあ・・・と思いこんでいただけに
情報が解禁された朝は「うわああああああ」と叫んでいました。

それにしても、またぶっ飛んだ方向の作品ですね。
でもこのチョイス、綾野くんらしいと言えばとても綾野くんらしい。
石井監督の作品にもう一度呼んでもらえたのも嬉しい。
「シャニダールの花」「ソレダケ」と全然違うタイプの役で使ってもらえて
それぞれの作品で綾野君のもつ魅力を違った角度から活かしてもらえたので
またまた違った作品、役柄で、綾野君がどう輝いているのか
作品を見るのがとても楽しみです。
クドカン脚本っていうのも楽しみなんですよねえ。
クドカンさんの作品に出演するのは初めて、ですよね、確か。
私はコアなクドカンファンではないので
オリジナル作品は苦手なものが多いのですが、
原作ものをクドカンさんならではの感性で脚色される作品は好きなものが多い。
今回は原作ものだし、でもクドカンさんが得意っぽいぶっ飛び方もしてそう。
そして、石井監督とクドカンさんって組み合わせ、どういう感じになるんだろう。
脚本も監督も個性が強い方なので
原作、脚本、演出がどんな化学変化を起こすのか、それも楽しみ。

そして、そして、久々の情報が出たと思ったら、
今度はご本人がさぬき映画祭に姿を見せてくれました。
ご本人が登壇されることはシークレットだったので、
参加されていたファンの方々すごいラッキー。
日頃の行いがよいとこういう幸運にめぐりあえるのかなあ・・・。
でも、参加されていた方々がたくさん当日の様子をツイートしてくださったので
ちょっぴり幸せのおこぼれをもらえました。
かなりざっくばらんに「亜人」のこといろいろ話されたみたいですね。
なんか「亜人」の佐藤また見たくなりました。
佐藤面白かったよなあ・・・。
DVDを買おうかどうか迷っていたんだけれど、
やっぱ買おうかなあ・・・。

久々に嬉しい知らせが続いた2月上旬でした。



精霊の守り人(ドラマ)

足かけ3年にわたって放送された「精霊の守り人」が完結しました。
3年間本当に楽しかった。
全編アジアテイストのファンタジーで、
西洋のファンタジーは映画とかでよく見るけれど、
オリエンタルと東洋が入り交じった雰囲気は珍しい。
風景や作り込まれた美術、CGを見ているだけでも眼福。
その上登場人物たちがとても絵になる人たちで、
壮大な絵巻物を見ている気分。
特にタルシュ帝国の第2王子ラウルを演じた高良くんと
ヒュウゴはもうドツボにはまりました。
何なんだろう・・・生身の人間なのに2次元的な美しさは・・・。
特にラウルはとても好みのキャラクターで、
出てくる度にゾクゾクしました。
ヒュウゴはチャグムにとっても、ラウルにとっても
敵なのか味方なのか最後まで本心が分からない人物でこれまた見ていておもしろかった。
壮大なスケールで展開する物語で、第1シーズンこそ新ヨゴ国の話でしたが
第2シーズンからは舞台となる国がぐっと増えて一気に世界観が広がりました。
国同士の思惑のすれ違い、それぞれの国が抱える問題
そういう国家的なあれこれに巻き込まれて翻弄される人々・・・。
大河ファンタジーとはよく言ったもので、
大河ドラマのようなスケールを持ちながらもファンタジーの世界だから
大河のように史実に縛られることはないんですよね。
ドラマだとどうしても撮影のしやすさから現代もの、
とくに日常を描いたものを題材にすることが多いので、
国家のあり方云々、ここでこうしなければ民が守れない、とか
王位継承を巡る様々な思惑や陰謀・・・なんて題材は描きにくい。
でも人って結構こういう自分が関わり得ないようなスケールの大きな話って
好きなんだと思うんですよね。
本来大河ってそういうのが好きな層向けにあると思うのですが、
最近は史実に忠実でなければ批判されてしまうことが多くなって、
昔ほど英雄譚が自由に描ける場ではなくなってきているように思います。
昨年の大河のようにいっそほとんど知られていない人物、
資料があまり残っていなくて想像の余地がたくさんある人物の方が
自由に描けるかもしれない。
昔のように無邪気にヒーローものとして戦国武将を描いてしまうと
今の時代あっちこっちから、最新の研究では・・・とか史実では・・・
という突っ込みが出てきそうですもんね。
だからよけいにストレートな英雄譚としてわくわくできたのかもしれない。
でもこの作品は原作がしっかりしているから、
決して単純な英雄ものになっていない。
国の中で民族間の対立や差別を描いていたり、
国の中での貧富の格差が問題になっていたり・・・と
現実の問題を色濃く反映した世界観になっているし、
人物の描き方も、敵であっても多面的に描いていて
それぞれの人物が実に魅力的。
1時間×22回という異例の長尺ということもあって、
壮大な物語にどっぷりとつかって楽しむことができました。
今日本でこんなことできるのNHKだけだろうからなあ・・・。
残念ながら視聴率はあまり高くなかったようなので、
民放ならとても持ちこたえられないですね、きっと。
たぶん企画段階でつぶされるでしょうね。
だからこそNHKさんにはがんばってこれからもこういうドラマ作り続けて欲しいです。
視聴率があがらなかったのは、一つにはドラマとしてこういうファンタジーを見慣れていない
ということがあると思います。
放送が変則的・・・というのも痛かった。
1年目に4話、2年目に9話、3年目に9話・・・って
たぶん2年目以降はよっぽど「見よう!」って思っている人でないと
見てもらえなかったでしょうし・・・。
1年目放送に気づいていなくて、
2年目の放送、3年目の放送で「あれ? こんなドラマあるの?」って思った人がいても
敷居が高いですよね・・・途中から見るの。
NHKにしては再放送が少なかったのも残念。
大河くらいしつこいほど再放送してくれればよかったのに。
通常のドラマと同じで、本放送の後1回だったと思います。
2年目の時には放送前に1年目の4話を再放送してくれたと思うのですが
3年目は1年目の内容をダイジェストで流して
あとは10分程度のスポットをしつこく流していたくらい。
「坂の上の雲」も3年にわたって放送されるイレギュラーな大河でしたが
それぞれの年の前に、再放送してた気がするんだどなあ。
世間一般に広く受け入れられなかったのは残念ですが、
原作ファンの方にはおおむね好評のようですし、
原作者さんも喜んでおられるし、
原作を知らない私のようなにわかでもドハマリしている人結構いそう。
視聴率では苦戦したけど、海外でうまく売れればまたこういうファンタジー大河作ってくれるかな。
次は是非こういう世界観の中で生きる綾野くんを見てみたいです。

参加されていた役者さんはどなたもはまっていてとても素敵だったのですが
私は特にタンダ役の東出君がお気に入りでした。
特に戦場に出てからのタンダはかわいそうでかわいそうで・・・。
こんな優しい人を人殺しの場に引き吊り出してはいけないと切実に思いました。
東出くんはどんな役でも器用にこなすタイプの役者さんではなくて、
自分の個性に役を合わせていくタイプの役者さんだと思うのですが、
タンダは東出君のもっている柔らかい雰囲気と真面目さが
とても良い方向に作用した役だったのではないかと思います。
新ヨゴ国の原住民ヤクーの役だったので
色白の肌を黒くして原住民っぽい化粧をしているにもかかわらず
穏やかで優しい人柄とかわいげがダダ漏れしている感じで
本当に愛おしい人物でした。
ヤクーと言えば、タンダのお師匠さんのトロガイは、
高島礼子さんが特殊メイクをして演じてらしたのですが、
とんでもない老婆メイクなのでもったいないなあと思っていたら
最終回でああ、なるほどこの為に高島礼子さんにこの役をオファーしたのね
とすごく納得できるシーンがありました。
トロガイが昔の姿に戻ったのでしょうか・・・とにかく老けメイクをほとんど落とし
美しい高島さんの面影が感じられるシーンがありました。
でも、このシーンがなくても、トロガイが高島さんでよかったと思います。
トロガイの作り込んだオーバーアクションの演技。
高島さんってこんな演技もできるんだ・・・という驚き。
そして特殊メイクに負けない目力。
白目の部分がとってもきれいだったんです。
そしてその白目の上で動く若々しい瞳。
トロガイが身体こそ老女だけれど精神はとても若く活力に満ちている感じが
しっかりと伝わってくる眼でした。
あ、あとアスラを演じた鈴木梨央ちゃん。
望んでいないのに巨大な力を持ってしまった少女を繊細に演じていました。
それから二ノ妃の木村文乃さん。
お妃の衣装がとてもお似合いで、画面に映ると見ほれていました。
顔がちっちゃいから、本当に絵の中の人物みたいに見える・・・。
か弱そうでいながらも芯が強く、愛情豊かな女性を清潔感をもって演じていらっしゃいました。
お妃さまの衣装や装飾、本当に好きでした。
衣装・・・と言えば、帝もすごかった。
青の波をデザインしたと思われる衣装に日輪を長細くしたような冠。
今こんな格好が様になるのは藤原竜也くんしかいなんじゃなかろうか・・・。
我が子を二度までも殺そうとした帝。
神の子として生きることだけをよすがにした帝。
神の子であることを最優先して、戦を招き、民を無駄死させ、勝つための手だてを放棄した帝。
そういう人物を圧倒的な存在感でもって演じきりました。
帝の衣装、第1シーズンでは違和感があったんですよね。
でも、第2シーズン以降で他の国々が出てきて、
アジアンな他の国のテイストと比較したとき、
とてもあの奇抜な衣装がしっくりきたんです。
最終話、誰もいなくなった王宮で、
ぽつんと一人帝が玉座に座っている。
その前には長い裾が玉座に続く階段に広がっている。
天井からぶら下がっている長い布が風に大きく揺れている、その寂寞とした雰囲気。
映像美とあいまって圧巻でした。
この役に確かな説得力を持たせられたのは藤原君の力なのだと思います。
チャグム(青年)もよかったです。
第2シーズンで登場の時はちょっと堅い感じもしたんですが、
チャグムの成長と共に中の人の成長も如実に感じられてよかった。
若い役者さんならではですね。
最終話の高良くんと対峙して一歩も引かない存在感というのはすごい。
少年から青年に成長する微妙な時期の繊細さと品の良さ。
これからの活躍が楽しみです。
なんだかんだ言って、私は王に認められない皇子というモチーフが好きなんだな。
氷室冴子さんの「ヤマトタケル」とか大好きだもんな。
「精霊の守り人」はチャグムもラウルもそういう皇子さまですもんね。
そりゃ好きなはずだ。
もちろん主役の綾瀬はるかさんもすばらしかった。
私は「奥様は、取り扱い注意」のスタイリッシュな殺陣より
この作品のアクションの方が好き。
なんにしろこれだけ動ける女優さんはそういないと思うので
それだけでもとても貴重な存在ですよね。

とにかく、ほんっとうに面白かったので、
ファンタジー大河もっと作ってくれませんかね、NHKさん!